事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

日本の警察 その17 校長の告発

2008-01-03 | 日本の警察

その16「巡査長の事件」はこちらYokomaki

埼玉県警察学校の元校長、前任者ら3人を業務上横領で告発

 埼玉県警察学校の元校長、田中三郎さん(60)が6日、同校の教職員らの任意団体「校友会」の約125万円を着服したとして、2004年当時の校長(退職)ら3人を、業務上横領容疑でさいたま地検に告発した。

 校友会は、校内の売店業者から売上金の3%を「助成金」名目で“上納”させていたが、告発状によると、田中さんの前任だった04年当時の校長は、庶務担当事務吏員に「助成金は(当時の)副校長に直接渡すように」と指示。04年4~12月、計約125万円を校友会の出納帳に記載せず、当時の校長や副校長ら3人で着服したとしている。

 田中さんは05年に校長に就任、助成金の受け取りは辞退したという。田中さんは今年9月に県警を退職したが、「県警による十分な調査がなされていない」と告発に踏み切った。県警監察官室は「告発内容を把握しておらず、コメントは差し控えたい」としている。
(2007年12月7日1時10分  読売新聞)

 この『校友会』がどのような性格のものなのかは今ひとつ判然としない。でも、背景に裏金問題が存在するであろうことは容易に想像できる。04年の4月から12月の9ヶ月間の売り上げの(利益の、じゃないよ)3%を上納させるという露骨で乱暴な手口が許される素地があったということ。すごいな。あらゆる手口を使って公金を裏金に転化してきた組織だから、おそらくは天下り先である任意団体の財布に手を突っこむぐらいは平気の平左(死語)だったのだろう。

 日本の警察の大きな特徴として、とりまく任意団体の多さがある。代表的なのが交通安全協会や防犯協会。全国の学校では、児童生徒の登下校を見守る地域のボランティア団体が組織化されつつあるけれど、警察がその背後にいてイニシアティブをとろうとしていると感じるのはわたしだけ?

 この、あふれる団体が何のためにあるのかといえば、それはもちろん退職警官の受け皿だ。中央省庁の天下りと同じように、いやそれ以上に彼らは退職後のケアに熱心。そのため、パチンコをはじめとした“業界”との取り引きは日常茶飯事。駐車違反摘発の民営化も、明らかに同じ根っこをもっている。つまり、“警察ファミリー”の形成に彼らは躍起になっているわけ。

 誤解のないように言っておくと、これは悪いことばかりではない。殉職警官の家族を守るために、遺族への就職斡旋などは優先して行われるらしいし。しかし、このファミリー意識が、警察を排他的な業界にしている要因であることもまた確かなのだ。

その18「警官の血」につづく。

※画像は、およそ警視庁警備部がドラマになったのって初めてじゃないだろうか「SP」。あの「パッチギ!」のはすっぱ娘がこんなに人気が出るなんて!よかったなぁ真木よう子。

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