この映画に数々の批判、というか罵倒が寄せられていることはきいていた。これまでのゴジラ映画へのリスペクトがないとか、格闘家ドン・フライや船木誠勝の演技が(ついでにケイン・コスギも)失笑ものだとか。でもこれは仕方がないだろう。だって監督があの「ヴァーサス」や「スカイハイ」の北村龍平なんだから。彼は“シーンは作れるがドラマは作れない”ことで有名なんだし。むしろゴジラ映画のラストにこの掟破りな選択をした東宝を評価すべきだ。
でもどうしても主演女優については言っておきたい。このチンピラ女優は製作発表の記者会見で「第1作は観たんですけど、途中で寝てしまいまして」だの「(共演の宝田明の)ルックスがすっかり変わっていて」だのと失言を連発し、会場のひんしゅくをかっている。強力なプロダクションに所属しているだけのことで、こんな非礼が許されていいのか?しかも演技は格闘家たち以下。学芸会だってもう少しなんとかなるだろう。いいか菊川怜!思わず名前出しちゃったけど映画をなめんじゃねーぞこら。
おまけに、彼女の姉を演ずるのがわたしの苦手な水野真紀。セクシーポーズをこの二人に連発させながら、まったく色香がスクリーンから感じとれないのはわたしだけ?X星人(どひー)に扮する往年の怪獣映画ヒロイン水野久美の方は、“まばたきをしない”設定のためにしわの目立つ顔がアップになるのだが、そっちの方がむしろドキドキさせてくれたのと対照的。美人は歳をとっても美人だなあ。
わたしはゴジラ映画に関してはかなり好意的な観客だと思っている。そのチープな質感にもめげず「この1冊」で何度もとりあげてきたのは、開巻に献辞が捧げられている本多猪四郎が山形出身だったり、オリジナルゴジラの着ぐるみに入っていた中島春雄が酒田の中島精肉店の生まれだったりすること以上に、映画体験がゴジラから始まっている(「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」’66)刷り込みがあるからだ。そのラストをこの女優たちは台無しにしやがってぇ。
とか言いながら、誰も今回が本気でファイナルになるなんて思っていないわけだし(笑)、実はお目当てだった北村一輝が予想以上に狂いまくっていたので、それなりに満足はしております。今度のゴジラは、孫といっしょに見に来ることになるのかなあ。
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