事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

わたしのグランパ('03 東映)

2008-02-02 | 邦画

Mygrandpa 中学1年の五代珠子(石原さとみ)は、不良グループからのいじめにあっていた。そこへゴダケンこと祖父の五代謙三(菅原文太)が現れる。謙三は13年前、友人のかたきを取るため、街のヤクザ2人を殺して刑務所に入っていたのだった。正義感の強い昔かたぎの謙三と、祖父に心を開いていく孫の珠子。2人のまわりにさまざまな騒動が起こって……。

 のっけから断定。今までに数多くの女優のヌードを見てきたけれど、もっとも美しい裸身は、「サード」(’78 ATG)における森下愛子のもの。「木更津キャッツアイ」や「池袋ウエストゲートパーク」などの“壊れたお母さん”役しか知らない世代には意外なことだろうが、いやー本当なのです。こう思っているのは私だけではなくて、ネット上でも結構いろんなサイトで伝説になっている。お好きな方は検索してみると鑑賞できるはず。

その「サード」の監督、東陽一の新作「わたしのグランパ」。地方都市の穏やかな情景が、みごとにとらえられている。いい日本映画を観たなあ、と充実した気分になれるのだ。「時をかける少女」にしても、あの筒井康隆の小説が、なぜかこのような叙情的な映画を産む不思議は、ちょっと考えてみる価値はあるかも。

 主演の石原さとみは、森下愛子以上の衝撃のデビューだ。菅原文太や波乃久里子といった助演に恵まれたとはいえ、自省と成長を完璧に演じきっている。この子、大女優になるかも。NHK「てるてる家族」は苦戦しているようだし、妻も「あれはあんまり……」と見放しているが、長い目で見てやりましょうね。

この作品がファンタジーであることは疑いなく(そのことを明確に示すシーンはわずかに一つしかない)、いじめが昔気質の老人の侠気だけで解決するとは思えないが、そのおとぎ話を、なぜか本気で信じたくなる愛すべき映画。ぜひ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「危険な話」東北版 | トップ | 「昭和の劇/映画脚本家 笠... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

邦画」カテゴリの最新記事