実はリメイクである「デス・ウィッシュ」の方を先に見たんだけど、話をわかりやすくするために「狼よさらば」から紹介しましょう。
74年の作品。わたしは地元の映画館グリーンハウスの二階にあった名画座シネサロンで見たおぼえがある。およそ45年ぶりの再見。
製作者ディノ・デ・ラウレンティスは、シルヴァーナ・マンガーノを妻にしていたイタリアの大プロデューサー。代表作はフェリーニの「道」や「戦争と平和」そしてあのぬいぐるみショーだった76年版の「キングコング」もつくっています(笑)。
彼は、並び称されるカルロ・ポンティ(こちらはソフィア・ローレンの旦那)とは違い、映画製作において絶対に自分の金を使わないことで有名。つまりは各映画会社に企画を売り込み、金を引き出す名人というわけだ。
そんなラウレンティスが、「死の願望」なるミステリをなぜ映画化しようとしたのか。なぜ商売になるとふんだのか。ちょっと考えてみます。
テーマは「自警」。
陽光あふれるハワイで中年の夫婦がバカンスを楽しんでいる。しかし彼らも日常に戻らなければならず、ニューヨークに戻ることに。ここまでがアバンタイトル。
太陽がさんさんと降り注ぐハワイと、曇天陰鬱なニューヨークの対比が、のちの悲劇を連想させてすばらしい。監督は当時の流行監督マイケル・ウィナー。音楽はなんとハービー・ハンコックです。
夫の建築士を演じるのは男チャールズ・ブロンソン、妻はアラン・J・パクラの奥さんだったホープ・ラング。この穏やかな夫婦に大都会の暗い部分が襲いかかる。以下次号。
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