事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「天空の蜂」東野圭吾著 講談社文庫

2008-11-22 | 事務職員部報

Tenkunohachi 原子力発電所の高速増殖炉の上でヘリコプターをホバリングさせ、「全国の原発を即刻使用不能にしろ」という要求を国が飲まなければヘリを墜落させると脅迫するテロリスト……中越沖地震における柏崎原発の右往左往を考えると、まことにタイムリーな選択。

資源をもたない日本において、安全保障の側面から原発を推進する意見にはうなずける点もあります。しかし同様に、安全保障の面から原発がひたすらハイリスクであることがきちんと説明されているのでしょうか。北朝鮮の脅威をあおるのと同じ人が、日本海側に原発を稼働させることになんの疑問ももたない不思議。わたしたちは、いつの間に電力会社に命をあずけることを承知したのでしょう。

07年9月4日付事務職員部報「新財務システム④」より

……原発に対して懐疑的な気持ちでいるのは今も変わらない。食品の偽造が相次いでいるけれど、原発の隠蔽体質はケタが違う。理系作家である東野圭吾が、リスクの多寡という一点で原発を告発するこの小説は、冷静なだけに説得力あり。

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