03「騒霊ぐ」はこちら。
豪邸にある室内プールで、若く美しい女性(現役AV女優の蒼井そら)が泳いでいる。そこへ黒服の長身の男が現れ、ある道具を水に入れる……
翌朝、女性は死体で発見される。水泳中の心臓麻痺と思われた。
「うちにプールなんかなかったら……うちは貧乏でよかった」
と内海。
「貧乏人は風呂で溺れるんだよ」
と先輩刑事の品川佑。そりゃまあ、あんたは山野愛子の孫だから豪邸やプールには慣れっこでしょうが。
しかしその死体は皮膚の一部だけが壊死していた。それはなぜか。黒服の男はなんと香取慎吾。彼も物理学を志す大学院生であり、湯川の講演に感激し、湯川も有能な院生の存在を頼もしく思う。
だが、その青年の心には邪悪なものが潜んでいた。まるで壊死しているかのように。
「湯川先生は、海外で研究をするつもりはないんですか」
と質問。
「日本は、科学者が正当な評価をうけていないと思うんです」
だから軍事産業に就き、誰も想像さえしたことのない武器をつくりたいと。冒頭の道具は、そのプレゼン用であり、殺人もまたプレゼンテーションだったのである。人間は計算式のようには美しくないとする科学者の傲慢さ。
「ひとり殺せば犯罪者。十万人殺す兵器を考えれば英雄です」
「殺人狂時代」におけるチャップリンの引用。このツールは超音波発射装置で、水中で発射すると気泡が発生する。その気泡が消滅する際に身体が壊死すると湯川は喝破する。しかし単に真相を究明するだけでなく、わずかな期間でそれ以上の兵器を設計してみせる。
「ぼくなら痣も残さない」
ヒューマニズムではなく、殺人者としても優秀なところを見せ、後進を圧倒するガリレオ。この結末はなかなか。
なぜかこのエピソードだけは再放送されない模様。理由は……さっぱりわからない。
05「絞殺る」につづく。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます