02「離脱る」はこちら。
ゲストは広末涼子。柴咲コウと並ぶと、へー、広末ってけっこう背が高いんだなあと……あ、柴咲コウがちっちゃいのか。イメージだと逆なんだけど。
いつもとは逆に、湯川の方が薫に捜査を依頼する。学生の姉(広末)の夫が失踪したので行方を捜してほしいと。介護用品のメーカーに勤務する夫は、老人ホームの入居者すべての名前をおぼえ、声をかけるぐらいに献身的な人間。セレブな家庭に育った広末との結婚は壮絶に反対されたが……セレブ育ちとはいえ、広末ちょっと騒ぎすぎ。天使のような夫とのバランスがちょっと。
失踪当日、夫は独り暮らしの老婆の家を訪問しているはず。しかしその日に老婆は亡くなっており、家には不審な男女四人組が居座っていた。しかもその四人は、午後8時になると常に外出することを広末はつかんでいた……決まった時間に不在であることを強要される、シャーロック・ホームズの「赤毛連盟」みたいな話?
実はこの家は、午後8時にポルターガイスト現象が起こるのだ。その家だけが、揺れるのである。しのびこんだ広末と柴咲コウの美女ふたりがおびえる絵はなかなかでした。
今回の科学ネタは「共振」。物体には固有振動数というものがあり……古地図から振動の謎を解く湯川は渋い。夫はもちろん老婆とともに殺されている。
「あの揺れは、自分はここにいるって教えてくれてたのね」
と広末。もちろん誤解だ。科学に人為的な意味づけを行うところに誤解があり、同時に面白味もあるのだろう。クールな短篇をウェットな人情話に変換する脚本家の作業にもそれは似ている。
04「壊死る」につづく。