自分も鉄道オタクであることを吐露しながら、しかし彼らへの嫌悪を隠そうともしていない。あいかわらず関川夏央は造りが複雑な人格。それはこの書でも顕著で、たとえばこんな具合……
「これからは、いわゆる団塊の世代がローカル列車の旅に参入してくる。自分もそのひとりとしていうのだが、『団塊』の特徴は『反体制気分』『口先民主主義』『若づくり』、それに『ケチ』である。」
「『オリエント急行の殺人』の場合、その真のテーマは、1920年代に世界の中心となった『アメリカとは何か』である。そうして、ポワロシリーズ全体をつらぬくものは、ゆるやかに落日しつつあるヨーロッパへの哀惜の念と、第一次世界大戦以前の秩序への郷愁である。」
例によって当たっているだけに、どうしたものでしょう(笑)
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