まだドートマンダーのシリーズが始まる前の、若きウェストレイクの作品。どうにも誤解しがちだけれど、小説職人であるウェストレイクやブロック、そしてロス・トーマスにも若書きのころはあったはず……なのかなあ。まるで信じられない感じ。読者との間で、押したり引いたりのやり取りのルールが身体に最初からしみついているかのようだ。
何の因果で墓をあばかなきゃならないんだと絶望的な気分になりながら、しかし秘めた才能のためにラストでうっちゃりをかますエンジェル(っていう名前なの)のしぶとさは、そのまんま後年のドートマンダーに継承されている。
まさかもっとこんな作品がうもれているんじゃあるまいな。くどいようだけど、定年後は彼らの職人技を味わいながら生きていこうと思っているんだから、各出版社はそのあたりのチェックをよろしく。
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