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ロバート・アルトマンは映画人たちに愛され、尊敬を集めている。その証拠がこの「ザ・プレイヤー」だ。数多くの俳優・監督たちが手弁当で(これほどハリウッドに似つかわしくない表現もめずらしい)参加している。実際にはユニオンが規定する最低賃金で、しかも後日みんなが映画の基金に寄付をしたとか。以下に列挙するスターたちは、アルトマンみずからが出演を依頼し、快諾した人たちだ。
ジュリア・ロバーツ
バート・レイノルズ(ランチの席で業界にブーたれているのがおかしい)
アンジェリカ・ヒューストン
ジャック・レモン
アンディ・マクダウェル
マルコム・マクダウェル
シェール
ジル・セント・ジョン
ジョン・アンダーソン
ミミ・ロジャース
ジョエル・グレイ
ハリー・ベラフォンテ
ゲイリー・ビューシイ
スコット・グレン
サリー・カークランド
マーリー・マトリン
ニック・ノルティ
パトリック・スウェイジ
テリー・ガー
カレン・ブラック(まさかと思われるだろうがこの強烈な女優は「エアポート'75」でスチュワーデス役だったんですよっ)
……せっかくメモをとりながら観てたのに、ネットで検索したら一発でした(-_-)。絶対にヒットしないはずの映画のキャストとして、パーティの客として、彼らは本人役で登場する。アルトマン組の常連だけでなく、みんな楽しそうである。
キャストだけでなく、映画そのものもネタとして登場する。トッド・ブラウニングの「フリークス」、フリッツ・ラング「M」、そしてヒッチコックの肖像。そのたびに“それ風”の映像になるのがおかしい。
わたしが大好きなアラン・ルドルフ(アルトマンの助監督を長くつとめた)もちょい役で登場。メールボーイからマーティン・スコセッシと誤解され「ケープ・フィアー最高でした!」と言われてくさるのには笑わせていただきました。
アルトマン映画のことだから、単純な勧善懲悪では終わらない。数多くの偶然から、ザ・プレイヤーは真の実力者として映画界を牛耳ることになる。ラストシーンはパームツリーの下で妻とキスをする典型的なハッピーエンド。皮肉がきいている。
「夢を見てるみたい」
「映画のようだろ?」
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