事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

港座通信~静かなる男

2009-11-09 | 港座

「晩春」特集はこちら

「静かなる男」

(1952)

監督:ジョン・フォード 

出演:ジョン・ウェイン モーリン・オハラ

 試合中に相手を死なせてしまったボクサーが、自らの誇りと愛をとりもどすお話。緑豊かなアイルランドの風景と、武骨でありながら優しさを感じさせるジョン・ウェインが泣かせます。これぞ、映画。村上春樹は、嫌なことがあるとこの映画を観ることにしているそうですよ。

……上映は11月20日(金)19:00大劇場にて。
ジョン・フォードとジョン・ウェインの作品は港座初登場。

 アイルランドという存在について、日本人はあまり意識しないでいるけれど、ジョン・フォードが自らのアイリッシュの血をかなり意識していたように、彼らの愛国心は強い。

 赤毛(モーリン・オハラはみごとな赤毛)、ジャガイモ飢饉、ウィスキー、U2(笑)あたりがパブリックイメージかな。ミステリ好きには、アメリカの警官にはアイルランド系が多いことでおなじみ(警察官→鹿児島人ってのとは違う構図だけど)。

 でもどの人がアイリッシュだかわからない?だいじょうぶ。耳元で「ダニー・ボーイ」を歌ってごらんなさい。その人が泣き出したらまちがいなくアイルランド系です。

次回は「百萬両の壷」!

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港座通信~「晩春」

2009-11-09 | 港座

「ドクトル・ジバゴ」特集はこちら

「晩春」(昭和24年 松竹)

監督:小津安二郎 

出演:原節子 笠智衆 杉村春子 月岡夢路 三宅邦子

 娘の結婚を願い、再婚をすると嘘をつく父親……ラスト、りんごをむきながら娘の不在に悄然とする笠智衆の孤独に胸をしめつけられます。

 父とのふたりの生活を続けたい、と願う娘への父親の視線は、うがった見方をすれば原節子への小津の感傷がこもっているかのようです。今では失われた美しい所作、美しい日本語を味わうことのできる作品でもあります。ぜひ。

……上映は11月20日(金)13:00より大劇場で。
港座における小津&原節子の映画は「麦秋」「東京物語」につづいて第三弾。名作保証付。

 原節子については、その肢体の美しさが片岡義男によって評価されている。混血なのではないかという噂がたえずつきまとった彼女の大柄な身体が見せる、今では失われてしまった端正な日本人の動き。なるほど、美しい。

次回は「静かなる男

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港座通信~「ドクトル・ジバゴ」

2009-11-09 | 港座

11月の上映会情報を。前回の情報はこちら
今月は20日(金)21日(土)の予定です。

ドクトル・ジバゴ

(1965 MGM)

原作:ボリス・パステルナーク 

監督:デビッド・リーン 

音楽:モーリス・ジャール 

出演:オマー・シャリフ ジュリー・クリスティ ロッド・スタイガー ジェラルディン・チャップリン アレック・ギネス

 厳寒のロシアを舞台に、革命という大きなうねりのなかで翻弄される男と女。ボルシェビキを批判的に描いたことでノーベル賞を辞退させられたパステルナークの一大叙事詩の映画化です。

 蜂起の瞬間など、史劇としても面白いのですが、かの有名な「ラーラのテーマ」と、ジュリー・クリスティの美しさだけでも十分にお楽しみいただけると思います。愛情を暴力的にしかあらわせないロッド・スタイガーと、党のエリートとしてクールに異母兄(ジバゴ)に対しながら、彼への尊敬をかくせないアレック・ギネスが泣かせます。

……上映は11月21日(土)13:00大劇場にて。途中で休憩を入れつつ、3時間17分の超大作。十代のときに観たっきりだけれど、思い出すと確かにロッド・スタイガーの哀しい悪漢ぶりがなつかしい。気難しい演劇人だと思っていたアレック・ギネスが、その後オビ・ワン=ケノービになるとは思わなかったなあ。

ポスターの掲示をお願いに行った某所では、「あ、『ドクトル・ジバゴ』やるんですねっ」と喜ばれた。長大なメロドラマとだけ総括できる作品ではないかな。芸術と政治の激突。そりゃ、ソ連は気に入らなかっただろう。

 マジな話、この映画におけるジュリー・クリスティほど美しい存在が他にあるかっ!いや別に誰も否定してないけど強く政治的に主張しておきます。

次回は晩春

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