事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「アイネクライネナハトムジーク」(2019 GAGA)

2019-09-28 | 邦画

原作が伊坂幸太郎の仙台もの。斉藤和義とのコラボが契機となった、あの小説は大好きだったなあ。

あれを特集したときにお知らせしたように、軸になっている話は「ロッキー」の第一作です。フィラデルフィアでやさぐれていたボクサーが、かませ犬のような形でチャンピオンとマッチメイクされ、しかしそれをきっかけに彼は(生卵を5個飲んだりして)甦っていく。

しかも勝負の行方以上に、ロッキー(シルベスター・スタローン)には達成したことがあった……「アイネ~」にもヘビー級のボクサーが登場し、原作と同じように、そして「ロッキー」と同じように泣かせてくれる。

しかし今回の主人公はヘビー級のボクサーではなくて普通の会社員、佐藤くん(三浦春馬)。彼と仙台駅のペデストリアンデッキで出会った紗季(多部未華子)とのラブストーリーが中心。いまどきプロポーズで終わるきわめてまっとうな恋愛。

そこへボクサーやら聾唖の青年やら妻が家出した中年やらガールフレンドに告白できない少年やらの“いい話”がこれでもかとつめこまれる。いまの若いやつらはしあわせだなあ。デートムービーにこれを選べば絶対に彼女は喜んでくれるよ。

わたしは伊坂幸太郎が好きで斉藤和義が好きで仙台が好き。そしてそれ以上に多部未華子が大好きなのだ。そんな人間がこの映画を好きにならずにいられませんて。わざわざ東根まで観に行った甲斐があったというものだ。伊坂映画といえばわたしにとっては多部未華子。濱田岳がいてくれたらもっとうれしかったけど。

アミューズは、もうひとつブレイクしない(異論もあるでしょうが)三浦春馬のためにこの企画を用意したのだろう。作戦は成功したと思います。仙台の夜を駆け抜ける(まるでロッキーのように)彼を好きにならない観客はいないだろうから。

監督は「愛がなんだ」で人気急沸騰中の今泉力哉。主題歌は斉藤和義の「小さな夜」。「Eine(ある) kleine (小さな)Nachtmusik(夜の曲)」です。


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