1冊目はこちら。
本の新しさに価値をおくブックオフが、どのようにその本の“鮮度”をチェックするかはこんな具合だ。入荷時期を示す、赤・青・緑・黒の4色のステッカーを本に貼り、その色をもとに3ヶ月売れなかったとわかれば即刻100円にプライスダウンする(このシステムを知悉している客が、わざわざステッカーの色が違うと値引きを要求する例まであるそうだ)。加えて同じ本が5冊並んだらこれも100円へ。郷ひろみの「ダディ」は何冊も持ち込まれたとか。
このシステムがなぜ必要だったかというと、ブックオフの店員たちの多くはパートかアルバイトであり、熟練された値付けなど望むべくもなかったからだ。そのため、数千万円を投資してマクドナルドのマニュアルを買い、開店前には毎朝スローガンを唱和し、売り上げ目標を達成すればその時点で店員全員がバンザイをする。一種の運動体のノリ。
このブックオフの商売がなにゆえにここまで伸張しているか、ヒントは在庫管理にある。最大の特徴は「在庫が存在しない(!)」ことなのだ。とにかく持ち込まれた本はできるだけ早く店に並べ、客の目にふれさせることがポリシーになっている。生鮮食料品並み。また、恣意的に本を選んで並べたり、他店から搬入させたりすることもやっていない。その店の在庫は、その店に持ち込まれた本だけで成立させることが基本線。そしてこれこそがブックオフの強みだと社長は主張している。なぜなら、その店に並んでいる本は、その土地の人たちが、少なくとも一度は購入した本だという結果になっているから。つまり期せずしてその土地の売れ線になっているというわけだ。なるほど。全国一律に配本し、売れなければそのまま返品すればよしとする現行の再販制度の欠点を、結果的にブックオフが補完している。
しかし、このブックオフ商法については、わたしはやはり反発がある。次号BOOK OFF 3冊目につづく。
画像は、これから大量に入荷するであろう(もうしている?)「ホームレス中学生」。この壮絶な貧乏話を、新古書店で買うのってなんか。それにしてもみごとな装幀。
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