ミステリの映画化がむずかしい作業なのは理解できる。原作と比較すると、まずたいがいの映画化は失敗に終わっているので。それは、文章ならではの“ごまかし”が映画では機能しないことと、キャスティングで犯人がバレバレな例が多いからだろうか(まあ、それを逆手にとることもできるんだろうけどね)。原作を明らかに超えたのは松本清張の「張り込み」(松竹)。後妻の地味な生活を刑事たちがひたすら見つめ続ける緊迫感は映画ならではだった。
この「理由」の場合、そうかミステリの映画化ってこんな手があったのかあ!と驚嘆。ものすごいカット数をぶちこんで、宮部みゆきの原作をほぼまるごとぶちこんであるのだ。いやーびっくり。大林宣彦が完全に映画を“コントロール”している。役者陣も大林ファミリー総出演でみなすばらしい。特に赤座美代子をものすごくいやらしく撮っていたのは監督の好み?
でも久本雅美だけは妙に浮いていた。バラエティ演技が染みついてしまったのかなぁ☆☆☆☆
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