年末年始は映画三昧。「タランティーノの日」につづいてクリストファー・ノーランの「バットマン・ビギンズ」と「ダークナイト」を立てつづけに再見。
二作を通してみると、ブルース・ウェインがひたすら悩み続けていることがわかる。クラーク・ケントがロイス・レーンのことでしか考えこまないのと好対照。まあ、「スーパーマン」の能天気ぶりも捨てがたいけどね。
一作目「バットマン・ビギンズ」Batman Begins。よく考えてほしい。忠実に訳せば「バットマンの物語が始まる」であると同時に「バットマンが始める」でもある。彼は何を始めようとしたのか?
彼がゴッサム・シティを救おうとするのは、父親の無念を晴らそうとしている以外に、その父親の死に責任を感じているから。なぜ自分を責めるかといえばコウモリへの恐怖に起因している。つまり自分の弱さを克服するためでもある。公益をめざすスタートが一種の私怨であることで、彼は「ダークナイト」において手ひどいしっぺ返しを……
つくづくがに股なクリスチャン・ベイル(ベイルなのかベールなのかそろそろはっきりしてほしい)の無色透明さが、マイケル・ケインとモーガン・フリーマンのユーモアを引き立たせている。逆に、あのウィットがなかったら本当に暗いお話で救いがなかったかも。
ということで次回は「ダークナイト」特集。
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