チャプター1もたいがいだったけれども、わたし、このチャプター2も好きです。っていうか、ジェシカ・チャスティンがヒロインであるだけ、2のほうが好きかも(笑)。
“子どもの弱みにつけこむ”という最低の道化師であるペニーワイズの正体が次第に明らかになる。それは前回の騒ぎのあと、ルーザーズ(負け犬たち)のなかでひとり故郷のデリーに残ったマイクの調べによるものだった。
ふたたび子どもの失踪や殺人が相次ぎ、“それ”がまたやってきたと判断したマイクは、ルーザーズの面々をデリーに呼ぶ。みんなで、“それ”を倒そうと。
もう四十代になった彼らは逡巡する。子どものころの誓いは守りたいが、なぜか事件の記憶自体が薄れている。
前回が恐怖とキスのお話だとすれば、今回は記憶と成長がテーマになっている。実は思い出したくない記憶をみんなが持ち寄ることで、という運びはさすがスティーブン・キング。
監督はアルゼンチンのアンディ・ムスキエティ。恐怖のバリエーションをこれでもかと繰り出してくる。ヒッチコック風のショッカーもあれば、「遊星からの物体X」のような異形の生物も次から次へと。
笑ったのはベバリー(ジェシカ・チャスティン)が、最悪の父親と住んでいたアパートに現在住んでいる老婆。微妙な動きから裸になり、極端に身長をのばしてベバリーに襲いかかる。老婆プラス裸プラス長身という取り合わせがあんなに怖くて笑えるとは!
悪の象徴にピエロの姿をだぶらせるのは「ダークナイト」におけるヒース・レジャー、その名も「ジョーカー」におけるホアキン・フェニックスなどがあるが、実はわたしも道化師はちょっと怖い。この映画はそこをうまくついている。これまた、さすがスティーブン・キングだ。
スモールタウンにおける、むかし自分が乗っていた自転車のあつかいでビル(ジェームズ・マカヴォイ)を泣かせる話など、うなる。