北米では去年の9月に公開されていて、確か9月の興行収入の記録を塗り替え、ホラー映画史上最高となったんじゃなかったか。
日本の公開は11月。ワーナーは館数をしぼり(自信がなかったのかも)オープニングの週末興収では10億程度の成績が見込まれていた。それが結果的に22億も稼ぐことになったのである。大ヒット。これは期待しちゃうよね。かなり面白かったってことだから。
ところが庄内ではなかなか上映されなくて、ようやくこの週末に観たので息子に自慢したら、「TSUTAYAで新作で出てたからいま観てる」ですと。あららら。
R15+のホラーはファミリー向けシネコンのイオンにはやはり向かないのか、客は確かに老夫婦とわたしの三人だけ。この人数でこの映画を観るのは怖かったですよ(笑)。
スティーブン・キングの原作は一度テレビで映像化されていて、VHSで観たけど、正直つまらなかったおぼえがあります。今回は気合いが違ってる。
原作は未読。でもキング印がたっぷり。死体捜しの少年たち(→「スタンド・バイ・ミー」)、過干渉の母親・いじめられる少女(→「キャリー」)、スモールタウンの物語であること等々……
描写はかなりエグい。しかしどこか上品でスマートに感じられるのは、画調の繊細さと周到な語り口のおかげか。さりげなく「かえるの王子さま」の絵本が映し出されるなど、このお話のキーポイントが「恐怖とキス」であることをうかがわせてうまい。
わたしがこれまで観たなかでいちばん怖かったのは「サスペリアPART2」。観た人はわかると思うけどあの「絵」のシーンね。それから大林宣彦の「HOUSE」における骸骨が画面の隅に映るのも怖かった。
「IT」はそれらの手法を存分に駆使し、貞子がテレビから出てくるあたりも臆面もなく利用しています。ここまでやってくれればいっそ爽快。エンディングで奥ゆかしく「chapter 1」と出るあたりも憎い。少年少女がおとなになってからのchapter 2は見逃せない。なるべく早く上映してねイオンシネマ。
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