PART27「春の波涛&いのち」はこちら。
近現代史シリーズが、少なくとも数字的には不本意な結果に終わった(橋田壽賀子はさすがに取っていますが)ため、大河は時代劇に回帰する。それどころか、いきなり最盛期に突入するのだ。
そのスタートは1987年1月4日。脚本はジェームズ三木、タイトルは「独眼竜政宗」。
初回の視聴率が28.7%と十分な数字だったのに、2回目に36.9%、3回目が40.7%とはね上がったのである。いかに視聴者が大河に時代劇、しかも典型的な武将ものを求めていたかがわかるし、平均視聴率39.7%(大河史上トップ)、最高視聴率47.8%という数字が、いかに視聴者に熱狂的に迎えられたかがうかがえようというものだ。
わたしも、久しぶりに見ましたもの。これまでしばらく見ていない大河がつづいたので極私的大河ドラマ史はつらかったです(笑)。
主役は伊達政宗。山形の小学生は、修学旅行で仙台城址である青葉山公園で政宗の騎馬像を見学するのが定番。大人になってからも何度も見ています。荒城の月の歌碑があったり、なかなか面白い。おすすめです。牛タンを食べてからどうぞ。
だから仙台といえば伊達政宗だし、政宗といえば仙台だ。それはまちがいではないんだけど、先日米沢に行ったときに上杉神社に寄ったら、米沢城の本丸址が境内にあって、伊達政宗がここで生まれたと説明があったのに驚いた。
伊達政宗、米沢で生まれてたの!?するとあの名セリフ「梵天丸もかくありたい」は米沢城で発せられたものだったのか。知らなかった。いかにいい加減な気持ちで見ていたかわかりますね(笑)。
政宗が隻眼になったのは天然痘のためらしい。だから
「梵天丸は醜いか(正確に発音すると“ぼんてんばるばびにくいか”」
というセリフのほうがインパクトはあった気がする。子役は藤間勘十郎と藤間紫の孫である藤間遼太(8世藤間勘十郎)。え、あの小僧は日本ハムの大社元社長の娘と結婚しているんですかっ!以下次号。