dexys midnight runners come on eileen
PART2はこちら。
「しゃべっちゃえばいいのに」
「本音をかませば一気にヒーローかなあ」
……世間は少しは期待していた。与党も少しはびびっていた。でももちろん佐川宣寿・前国税庁長官は国会で何も語らなかった。それはもうみごとなまでに語らなかった。
「刑事訴追を受けるおそれがあるので」
こんな便利なことばが有効だったわけだ。
しかし一連の改ざん騒ぎについて、理財局の“一部”の職員の判断だけで行われたと本気で考えている人は誰もいないはず。忖度なのか指示なのか知らないが、首相と財務相に責任がないと考える人もいないだろう。それでも、この政権は生き延びる。そのあたりがわたしはちょっと理解できない。
思い返してみよう。森友案件でわたしが驚いたのは、ほとんどカルトではないかと思える(というかはっきりとカルトな)極右的教育を行っている幼稚園が存在し、時の首相夫人が名誉校長にまでなっていたことだ。そして次々に登場する人物がみごとなまでに国家主義的。いまの日本がこんなにカルトな国家になっていたとは。
しかもこの連中のたちの悪いところは、報道の細部にまで介入するあたり。政権にへつらう読売や産経は大目に見ても、朝日や毎日には徹底的にかみつく。あ、財務大臣は朝日新聞はあまり読まないんでしたね。政治家もお安い存在になったものだ。そしてそんなチープな政治家にせっせとご奉仕申し上げる官僚……
朝日のスクープがなかったら、安倍晋三や麻生太郎は例によってにやにや笑いながら野党に皮肉をたれていただろう。前川喜平氏のように、官僚(元官僚、になってしまいましたが)のなかにも気骨のある人物がいたことも明らかになったので、救いがないわけではない。
ただね、アメリカの大統領も北の国のあの人も、追い込まれると、よかれ悪しかれ、何かでかいことをかまそうとする。目くらましね。現在の我が国の首相もそう考えているに違いなく、彼お得意の北朝鮮関係で強硬な姿勢を加速するのではないかと心配。中国もからんで、ここは冷静に対処しなければならない時期だと素人目にもはっきりしているのに。
本日の1曲はデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズの「カモン・アイリーン」イギリスくさっ!
「王の退場」につづく。