PART10「ロマンス」はこちら。
84年後期は、漫才作家秋田實をモデルにした「心はいつもラムネ色」。秋田役は新藤栄作。主演女優は藤谷美和子。企画はいいと思うんだけれども(大阪局制作の場合、コテコテの大阪をフューチャーしないと失敗する法則があるらしい)、どうもいまひとつな感じ。
つづく85年前期はあの「澪つくし」。お醤油屋さんの話ね。主演の沢口靖子は、東宝シンデレラとして鳴り物入りでデビュー。朝ドラ主演で飛躍する。深刻なメロドラマのなかに、明石家さんまを投入するなどで大ヒットドラマとなる。
脚本はジェームス三木。思いっきり日本人なのになぜジェームスなのかといえば、彼は歌手だったから。フランク永井やバーブ佐竹ののりですかね。歌手や俳優としては芽が出なかったが、脚本家として、観客の鼻面をひきまわすようなサービス満点の作劇で大成功。まもなく、大河ドラマ「独眼竜政宗」でまたしても大ヒットをとばす。
ところが、私生活ではトラブルつづきで、自らがセックスした女性を(とくにあの部分を)ランキングするという(笑)気の遠くなるような「春の歩み」なるノートの存在、そして離婚騒動でワイドショーのスターに。そこまでサービス満点でなくていいのに。
朝ドラの救世主が橋田壽賀子なら、大河ドラマにおいては彼が切り札。一時期、視聴率が落ち込んだ大河を、のちに「八代将軍吉宗」でまたしても救済することになる。
85年後期は、大衆演劇を描いた「いちばん太鼓」。主演は岡野進一郎……ってすみません誰ですか。
86年前期は「はね駒」うわー斉藤由貴についてもおれは語っちゃうぞ。以下次号。