事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

MR.BRAINみたび

2012-09-12 | テレビ番組

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演出にヒットメーカーの福澤克雄、脚本は「TRICK」などの蒔田光治を用意して、このミステリ(ですよまちがいなく)は展開された。「ガリレオ」が物理学をバックボーンに推理すれば、九十九はもちろん脳科学。

「人間は嘘をつくときに右上を見てしまう」

など、ほんとかよと思うような小ネタが数多く用意してあって、それだけでも楽しい。だけどもちろん脳関係だけで事件のすべてが解決できるわけはないので、ドラマ的なうねりでブーストする必要があるのに、どうもそこが弱い。

たとえば初回のオープニング。失恋した広末涼子を九十九は彼なりの優しさで励ます。彼女とのやりとりがあったために九十九はある事故にまきこまれてしまうので、広末は一種の運命の女なのである。ところが、彼女は二度とドラマには登場しない。

脳を負傷してから審美眼が思い切り捻じれてしまうのは彼女の影響か、などと深読みもできるのにそうはならない。まあ、高視聴率をマークできれば再登場もありだったかもしれないが、単なる顔見せに終わっていたのは残念だった。

刑事役の香川照之は九十九に向かって「頼むよセンセー」と吐き捨てるように語る感じがよかった。「探偵物語」で、成田三樹夫が「図に乗るなよタンテー」と吐き捨てるパターン。

でもその助手役である水嶋ヒロが単なるコメディリリーフに終わっていたのももったいない。どこかで激情を爆発させるシーンがあればしどころがあったろうに、ほんとうの爆発に吹き飛ばされるのが見せ場だったのはかわいそう。

最初の事件において、ある人物の犯罪を立証するためにMRIを使うのは仕方ないにしても、家族を亡くしたばかりのその人物を、その場に連れてくる理屈がちょっと足りない。亀梨和也の回では、“透明人間”が恋人を襲うという仮定はすばらしい。でも途中のしりとりネタがわかりやすすぎるのが難点。ほら、やっぱり時間帯がまずかったんだと思う。だいたい、この回の犯人は近ごろファナティックな役ばかりやるので最初から悪者なのが丸わかりです(笑)。

このシリーズの白眉は仲間由紀江の回。犯人像は……以下次号

コメント (2)
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