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事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第13回「お江戸揺るがす座頭金」

2025-03-31 | 大河ドラマ

第12回はこちら

大河ドラマにはガイドブックがつきものじゃないですか。ドラマの背景とか撮影裏話とかがきっと満載なんでしょう……というのも、わたしは買ったことがないのでよくわかりません。なぜなら、先々のストーリーがわかっちゃったら面白みが減りませんか?

特に蔦谷重三郎(横浜流星)のように、あまりメジャーとはいえない人物の場合は、彼がどのような人生を歩むのか、オンエアを待ったほうがいいような。

とか言いながら、わたしは我慢できずに吉川永青の「華の蔦重」を読んでしまったのです。ほぼ伝記。いやはや出てくる出てくる有名人たち。

山東京伝、太田南畝、喜多川歌麿、東洲斎写楽(彼がなぜ消えたかの理由はかなり考えてあった)、松平定信……そして朋誠堂喜三二。尾美としのりが演じたこの人物が蔦重にとってかなり影響力の大きい人物だったと知れる。

さて、重三郎がどのようにして亡くなるかまで描いたこの本のことは、一生懸命に忘れなければなりません(笑)。

わたしは近ごろ、アニメのキングダムを見終えたので、ちょっと前のテレビドラマを見るようにしています。わりと面白かったのが「探偵が早すぎる」。滝藤賢一が事件を未然にふせぐ有能な(だけれどもだいぶ変わった)探偵を演じているのだが、彼が守ろうとするのは5兆円(額がばかばかしく大きいのがいい)の遺産を受け取る広瀬アリス。そして彼女の育ての親である家政婦を水野美紀が演じていて、これがなかなかのコメディエンヌぶりなの。

踊る大捜査線」の雪乃さん役のイメージを覆すために「恋の罪」でフルヌードになるなど気合いの入った人なのだが、めざしたのがアクション女優だというのが泣かせる。この大河でも凄艶なところを見せてくれているのでうれしい。

第14回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第12回「俄(にわか)なる『明月余情』」

2025-03-24 | 大河ドラマ

第11回はこちら

思えば80年の映画「翔んだカップル」はすごい作品だった。

・薬師丸ひろ子と鶴見辰吾の初主演作

・相米慎二監督のメジャーデビュー作品

・脚本は「探偵物語」(日テレのやつね)などの丸山昇一

・石原真理子の映画デビュー作品

……よくぞキティは金を出したよなあ。こんなギャンブルはあそこでなければなかなか(映画で稼ごうとはせず、音楽でもうければいいと社長の多賀英典は思っていたらしい)。

ラストシーンの、有名なもぐらたたきのシーンを見てわたしは呆然とした。なんだこりゃあ!大傑作じゃないか。

薬師丸ひろ子はひたすらに愛らしく(「ハンコぅも押しました」「寄りそい合って生きるって、素敵なことよねというセリフはかわいかったなあ)、石原真理子はひたすらに美しく(まさか後年にあれほどのお騒がせ女優になるとは思わなかった)、長回しを基調にした相米演出も新鮮だった。

わたしは同じ相米=薬師丸コンビの「セーラー服と機関銃」よりもはっきりと上だと思う。

そしてこの映画には、重要な役どころで尾美としのりが出演していたのだ。

劇団ひまわりに所属して子役で活躍していた彼が、この作品の次に出たのがあの「転校生」だった。尾美と小林聡美の心が入れ替わってしまうトリッキーな作品だけど、そんなことを言ったら新海誠の「君の名は。」はまさしく「転校生」へのオマージュだったわけで。

そして「転校生」を契機に、彼は大林宣彦監督と組んで名作を連発する。そして今も、彼はメジャー作品に出演しながらもどこかマイナー感もあるという微妙なありようで存在感を示している。要するに、演技がうまいんだよね。

だから、「オーミーをさがせ」とばかりにこれまでチラッとしか映さないという壮大なシャレも機能した。さすが、尾美としのり。あ、今回は彼のことしかふれられなかった。

第13回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第11回「富本、仁義の馬面」

2025-03-17 | 大河ドラマ

第10回はこちら

昨日は「べらぼう」にしても「御上先生」にしても、演出がさえわたっていた。役者の“間(ま)”がすばらしいのだ。寛一郎も松坂桃李も、ある申出に対して、間髪を入れずに受け入れる。男気を示すみごとな解釈だと思います。

にしても寛一郎はいい。

もちろん、血筋の問題はある程度影響しているのだろう。三國連太郎が祖父で佐藤浩市が父親とは、サラブレッドここにきわまれりだ。

しかし彼の作品の選択を観れば、よほど優秀なスタッフがいるか、本人が脚本を読めるかだ。俳優として初めて演技をしたのがあの「菊とギロチン」だったとはすごいし、以降もキネ旬ベストワン「せかいのおきく」(このタイトルは絶妙だった)や「ナミビアの砂漠」と傑作に出続けている。

かと思えば「グランメゾン東京」や「鎌倉殿の13人」などのメジャーどころも押さえているし、ラフカディオ・ハーンをモデルにした朝ドラにも登場予定だ。順風満帆に見える。

でも、異能の祖父と父を持ち、同じ業界を歩むことは、かなりきついことでもあるのもしれない。

「御上先生」の方はまもなく最終回。おそらく最初から見直すことになるだろうけれど、きのうの回はきつかったなあ。

わたしは事情があって兄弟のお話に弱い。だからブラピの「リバー・ランズ・スルー・イット」には号泣したものだった。

そしてこの「御上先生」も、失われた兄の存在を乗り越えなければならない展開だった。となりで観ている妻にばれないように涙をぬぐったけれど、バレバレだったんだろうな。兄が死を選んだのはまだ二十歳だったのだ。無惨だなあとつくづく思う。

第12回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第10回「『青楼美人』の見る夢は」

2025-03-11 | 大河ドラマ

「幾代餅」十代目 金原亭 馬生【落語】

第9回はこちら

日曜は朝6時から自治会の雪囲い取り外し。中途半端な時間に目覚めてしまい、こりゃ二度寝したら寝過ごしてしまうと強引に本を読む。ラッキーなことに、むやみに面白いミステリだったので無事に起きることができました。

そして10時からは法事。お昼から酒を飲むことになってしまい、眠くて仕方がない。しかし午後3時からはまたまた自治会の仕事で田んぼの撮影……眠いってば。

しかし午後5時57分に目が覚めて、無事「べらぼう」にたどり着き、続けて「御上先生」もリアルタイムで。がんばったオレ。見終わってすぐに撃沈、当たり前だ。

さて、今回は「身請け」のお話。蔦重(横浜流星)の思い人である瀬川(小芝風花)が、大富豪の鳥山検校(市原隼人)に落籍される。彼女の最後の花魁道中に合わせて、蔦重は錦絵の豪華本を制作する。出版人として

「役者が役者をやってねえ姿はどうでしょう」

とさすがのアイデア。瀬川は、大門(だいもんじゃないよ、おおもんだよ)で振り返り

「おさらばえ」

吉原と、そして蔦重に別れを告げる。うまい。

金持ちに身請けしてもらうのが娼妓のハッピーエンド。しかしもちろんもう一つ、年季が明けるというゴールもある。

そのもっとも幸福な例が落語の「幾代餅(いくよもち)」だろうか。こんな噺だ。


搗き米屋(つきごめや)の奉公人の清蔵は、吉原の幾代太夫の錦絵にひとめぼれ。仕事に身が入らない清蔵に主人は

「一年間みっちり働け。そしたら太夫に会わせてやる」

と約束。さあ一念発起した清蔵は、無事に(というかいろいろあったけど)幾代太夫と一夜を。そして

「あちきは来年の三月で年季が明けなんす。そしたら主(ぬし)の女房にしておくんなんし」

と告げられる。誰もそんな話は信用しなかったが、翌年三月、店の前に一丁の駕籠。なかからは文金高島田の幾代が……

やっぱり錦絵というのは、影響力が大きかったんですねえ。

第11回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第9回「玉菊燈籠恋の地獄」

2025-03-03 | 大河ドラマ

第8回はこちら

猫が亡くなってからペットロスの日々。だというのに読売の日曜版に連載されている「猫ピッチャー」を読んでしまい、ミーちゃんの可愛さにまた落ちこむ。今日は職場の駐車場をうろついている野良猫をつい目で追ってしまう。

しばらくこんな状態がつづくのかもしれない。まあ、二十年もいっしょに暮した仲間だったからなあ。

さて大河がらみでは、2027年の作品が決定。「逆賊の幕臣」主演は松坂桃李で、演じるモデルは小栗上野介だという……面白そうだなあ。というのも、昨夜は「べらぼう」を見てからそのままTBSの「御上先生」を初めてフルに見て驚嘆。

「いつもこうなの?」

毎週見ている妻に確認。

「いつもこうなの。」

とてつもなくハイレベルなドラマだし、陰影に富む主役に松坂桃李はぴったりだ。同じTBSの「金八先生」を痛烈に批判した脚本の気合いもすごい。来週からも見ることにしよう。

さて「べらぼう」。こちらの横浜流星は軽快ですばらしいのだが、今回はつらい思いを抱えてしまう。

金貸しの鳥山検校(市原隼人)が瀬川(小芝風花)を身請けする話が進む。そしてことここに至って蔦重は自分の気持ちに気づく。遅いって!と視聴者全員からつっこまれた瞬間。

身請け話を断ろうとする瀬川に、これは男ができたなとふんだ女郎屋の主人は、蔦重に瀬川の“仕事”をわざと見せる。

女郎とはなんだということを、初回の裸で“廃棄”された女たちとかぶせてくる。周到な脚本だ。もちろん「べらぼう」も毎週見ます。

第10回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第8回「逆襲の『金々先生』」

2025-02-24 | 大河ドラマ

第7回はこちら

建国記念日に妻の母親が亡くなり、2月22日の猫の日(にゃん・にゃん・にゃん)にうちの猫(伊織という名前のおじいちゃんです)が他界いたしました。娘は遠く米沢からやってくる。号泣。

はて、わたしは呆然としたけれども泣くことはない。心の冷たい人間だからな。

でも夕刻、総代をやっているお寺の鍵を閉めようと雪の農道を歩いているとき、突然こみあげてくるものがあって、へたりこんだ。二十年もいっしょだったんだから。手のひらにのるくらいに小っちゃかったあいつがどんどん大きくなり、そして最期は痩せていった。わたしのメンタルはもうぼろぼろです。

そんなわたしをこの大河の面白さが救ってくれる。

前回に蔦重(横浜流星)がこんなセリフを放っていたのがニュースになっている。

「それが女の股でメシ食ってる腐れ外道の忘八の、たった一つの心意気なんじゃねえですか?」

これ、あの映画からの引用じゃないですか。「仁義なき戦い 広島死闘篇」における千葉真一の名ゼリフ。

「なにが博奕打ちなら!村岡が持っちょるホテルは何を売っちょるの、淫売じゃないの。云うなりゃあれらはおめこの汁で飯喰うとるんで。のう、おやじさん、神農じゃろうと博奕打ちじゃろうとよ、わし等うまいもん喰ってよ、マブいスケ抱く為に生まれてきとるんじゃないの。それも銭がなけにゃあ出来やせんので。ほうじゃけん、銭に体張ろう云うんが、どこが悪いの!?」

絶対に脚本の森下さんは意識していたはずだ。そして今回の“階段落ち”も時代劇の名物シーンの数々へのオマージュだろう。忘八関係は次週に。とにかく、メンタルがやられているので今回はこのあたりで。

第9回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第7回「好機到来『籬(まがき)の花』」

2025-02-20 | 大河ドラマ

第6回はこちら

金曜に通夜、土曜に葬儀。家族葬とはいえ、へとへとに疲れる。そして日曜日。さすがにゆっくり休もうと思ったら、妻が階下から

「猫がっ!猫がっ!」

と抱えてくる。ぐたっとなっているのだ。

うちに来て20年以上。人間でいえば百才をこえるおじいちゃん。先週から食欲もないみたいなので心配していたら案の定。

動物病院へ。日曜なのでいつものところはお休み。初めての病院へ。

「積極的な治療はしませんよ。もう、この猫は十分に生きた

「覚悟しています」

栄養剤を打ってもらい、少し回復したみたい。人間でいえば点滴みたいなものかな。

あ、また前置きが長くなってしまった。大河ですね。

偽板のためにギルドから抜けた鱗形屋(片岡愛之助)に代わって版元になろうと意気込む蔦重(横浜流星)。しかし西村屋(西村まさ彦)などの老舗は妨害にかかる。そこで、「吉原再見」を倍売ればどうかという啖呵を蔦重はきる。

ここから、プロデューサーとしての蔦重の才覚が試される。そのアイデアのひとつが薄くすること。持ち運びに便利だからね。逆に、ぴあは年々厚くなっていくのでしたが。

そこで思い出すのが書店員の雑誌現状報告。

「いまの少年サンデーが、どれだけ薄くなったか知ってます?」

「へー」

「ジャンプとの差が歴然なんですよ。小学館と集英社の関係を考えると、しみじみしますね」

新参者(子会社)の勃興を、老舗(親会社)がどう防ぐか。あ、ちゃんと大河の話になっていた。

第8回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第6回「鱗剥がれた『節用集』」

2025-02-15 | 大河ドラマ

第5回はこちら

渋い一週間でした。ぎっくり腰はなかなか回復せず、身内の不幸もあり(腰の痛みに気づかれないように玄関口から棺を出す苦労はなかなか)、ああそれで思い出したのは森田芳光の「家族ゲーム」で、あの戸川純が

「このマンションに棺をどう入れればいいんでしょう」

と困惑していたシーン。日常への畏れをこれほどソリッドに描いて見せたシーンはなかったと思う。

っていうかわたしは物理的に腰が痛かったです。

そして、妻の母の死に落ち込んでいた。わたしと妻が初めて夫婦げんかをしたときに

「あ、それはいいことだね」

わたしの息子が不登校になったときも

「いいじゃないか学校行かなくても」

他にも度量の大きさを常に示した人だった。ううう。

あ、大河でしたね。今回は「偽板」という、つまりは海賊版をめぐるお話。大河の主人公が、一種の卑怯なふるまいをして悩む。そしてそれをあの鬼平が慰めるという、この時代ならではの展開。

版元たちのギルドにどう蔦重が入り込むか。わたしはよくわからないんだけど、現代ではそういうことはもうないんですか。新潮社の佐藤家や講談社の野間家が角川春樹をいじめたってことはないんですか(笑)。

わたしの知己に、野間家に書生に入っていた人がいて(どんな時代?)、五木寛之が大量の薔薇を野間家に届けてきたことがあったそうだ。「青春の門」の五木寛之って、そういうこともできる人だったんだ。

第7話につづく

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べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~第5回「蔦に唐丸因果の蔓」

2025-02-04 | 大河ドラマ

GOLGOLGO 牛乳早飲み

第4回はこちら

ぎっくり腰の激痛に耐えながら鑑賞しております。

今回のタイトルは“つたにからまるいんがのつる”と読むようです。蔦重と唐丸少年の因果がからまっていることを一発で予言。タイトルをつけるのもたいへんだ(楽しんでいるのかもしれないけれども)。絵の才能のある唐丸が、のちの有名絵師になることも予言されているような。

「謎の絵師として売り出す」

と蔦重は言うが、謎の絵師としてしか売り出せない展開なのかもしれない。

ここで思い出すのが島田荘司の「閉じた国の幻」だ。あの絵師の正体が実は……な展開と、今回の田沼意次と平賀源内の開国論はつながっている。

里見浩太朗登場。

この人ほど時代劇が似合う俳優もめずらしい。水戸黄門ものでは光圀と助さん格さんの全キャラを演じた唯一の人だとか。わたしの世代では長七郎だけれど、若い人たちには「リーガルハイの服部さんなのだろう。

安田顕があいかわらずいい。ひょうひょうとした平賀源内をみごとに体現している。「水曜どうでしょう」で牛乳を噴き出していた面影はもうないけれど、あれを経過したからこそ「俳優 亀岡拓次」や源内の味に到達できたのだろう。

「なんかこの大河、面白いね」

「そうねえ」

妻も賛同してくれています。日曜夜が楽しみだ。

第6回につづく

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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第4回「『雛形若菜』の甘い罠」

2025-01-30 | 大河ドラマ

愛のバラード

第3回はこちら

週末は遠方の研修会へ。夜の懇親会では

「絶対に『光る君へ』は途中でギブアップするものだと思ってた」

と指摘される。

「うん。まあ源氏物語も読んだことのない人間だからなあ」

「あたしは読んだことあるわよ」

「え、誰の訳(やく)で?」

谷崎潤一郎だろうか円地文子だろうか。

「なにを言ってるんですか。古文の教科書ですよ」

そりゃま、そうだが。しかしわたしは古文や漢文の授業は苦痛でしかなかった。五言絶句ってなんだよ、ぐらいの世界。でもちゃんとやっていれば、あの大河ドラマをもっと楽しめたのかもしれない。

その点、この「べらぼう」は、早坂暁の「天下御免」や三谷幸喜の「風雲児たち」で予習済みなので気が楽だ。「解体新書」が出てきたら、これターヘル・アナトミアだよなとすぐに理解できる。

さて今回は出版業に乗り出そうとする蔦谷重三郎(横浜流星)が、業界の面々に弾き飛ばされるという苦いお話だ。蔦重に支援を申し出る親切な西村屋(西村まさ彦)が実は……という展開。

業界の横紙破りの新人が、旧弊な年寄りたちに追い込まれるという構図で思い出すのは角川春樹だ。

ある愛の詩」や「犬神家の一族」などでメディアミックスを仕掛け、大量宣伝大量販売の手法には批判も多かった。しかし今や出版界も映画界も、角川春樹的なるものを無視してはやっていけない時代になっている。まあ、でも角川兄弟の現在を考えると、蔦重と彼らを重ねるのは……。

ってことで本日の1曲は犬神家の一族。大野雄二さんを起用するセンスは角川春樹のものだったろうか。

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