hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

吉田秋生『夢見る頃をすぎても』を読む

2013年01月20日 | 読書2

吉田秋生著の漫画『夢見る頃をすぎても』(小学館文庫よA-8、1995年7月小学館発行)を読んだ。

『海街』が面白かったので、吉田秋生の漫画を読んでみた。
携帯電話もインターネットも無かった1977(昭和52)年~1982(昭和57)にかけて別冊少女コミックとプチフラワーに掲載された全5話の連作。



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

前半は高校生男女の恋のあれこれで、女の子の心の中の想いがよく書けているのだが、とくにつまらなくもなく、とくにどうということもなし。
後半は、少女から女への過渡期の行動、心の動きが生々しい。しかし、揺れが大きく、もう少し絞って、じっくり描写して欲しかった。
青春とは程遠い古希のお爺さんには付いて行くのは無理でした。

吹き出しの台詞がどちらの話なのかもよくわからない。目がチカチカする。とかく、漫画は読みにくい。



吉田秋生(よしだ・あきみ)
1956年東京生れ。武蔵野美術大学卒。
1977年『ちょっと不思議な下宿人』でデビュー
1983年『河よりも長くゆるやかに』及び「吉祥天女」で小学館漫画賞受賞
2001年『YASHA-夜叉-』で小学館漫画賞受賞
2007年『海街diary
2008年『すずちゃんの鎌倉散歩


楽園のこちらがわ
猿渡基(さるわたり・もとい)通称「サル」は、受験ノイローゼになり、進学校から三流校へと転入する。編入されたクラスには、中学時代の同級生・筒井恭一と、世話好きのクラス委員・蓮黄菜子(れん・きなこ)、オカマ系の緑川操がいた。
受験戦争に負けた落ち込みと、クラスで一人だけガリ勉状態にイライラが募る。「なんでガリ勉は嫌われるんだろうな」とボヤく基に、恭一は「おまえたちは『現実』を目の前につきつける象徴だかんね」と言う。
基は黄菜子に「恭一を好きなのか」と尋ね、やんわりと肯定され、失恋する。

楽園のまん中で
基、恭一と平井が同じ大学を受けるが、合格したのは基だけだった。別の大学を受験した黄菜子と緑川も合格する。
とりあえず受験のプレッシャーからは解放されて、みんなで飲んで騒いで最後はケンカ騒ぎでボロボロ。

はるかな天使たちの群れ パート1
浪人中の恭一(と平井)は基を講師に見立ててしばしば勉強会を開いており、黄菜子もよく食事を作りに、恭一が一人暮らしを始めたアパートに出入りしていた。
食事の後片付けのために残った黄菜子に、恭一は突然「泊まってけよ」と言い出す。押し切られた感じで一夜をともに過ごす。翌日、楽しそうに話をしながら歩いてくる制服姿の女子高生を見て黄菜子は思う。「そうか……私はもうあの群にはもどれないんだ。」

黄菜子と大学の友人今日子は、男と女の関係について話す。
「男は羽を持って空を飛んでいるのを、女は手元に引き寄せたがっている」「羽を持って飛んでいるのは女の方で、男に恋した時にその羽は失われる」「いろんな手に負えない感情が詰まっている風船のようなものが重くなると、女は飛べなくなる」

はるかな天使たちの群れ パート2
翌年の大学入試試験後の慰労会で仲の良い恭一と黄菜子を見ていられず、基は場を去って、ぶらりと映画館に入る。ついてきていた今日子とポルノ映画を見ることになる。
そのことを偶然知った恭一から「おまえらお似合いだよ、いっそくっついちゃえよ」と言われ、基は「何も言わない、一発だけ殴らせろ」というが、結局、恭一の頬に拳を当てただけで、「彼女を大切にしろよ」と言い捨てて去る。
再び今日子が現れ、雨でずぶぬれの基を自分のアパートに連れて行き、「自分は黄菜子が好きで、黄菜子の幸せを喜んでいたはずなのに、あの二人が仲良く一緒にいるところを見ているのが辛かった」と話す。
恭一は合格し、基は恭一と黄菜子に「これからもよろしくな」と言う。

夢みる頃をすぎても
大学3年の黄菜子、今日子と、男を始終変える空子(うつこ)は、高校生にナンパされて「16歳!」と答える。お茶だけおごらせて別れ、居酒屋へ。
黄菜子が初恋の男子と再会するが、「初恋の彼ともっと話さなくていいの」と尋ねる今日子に、黄菜子は「あの頃は声もかけられなかったのに、今は普通に話せる。もう制服を着てないからかも知れないな」。
今日子は「でもあたし、そういう悩みがちょっとうらやましい。まだ処女だもん」と言う。「なんか相手がビビっちゃうのよ」と説明し、二人は妙に納得する。
空子は、熱しやすく冷めやすい性格のせいで、本気で付き合うところまでいく前にダメにな「実はあたしもまだなの」と告白。
黄菜子が初めて恭一のところに泊まったときのことを話す。「そのあと寝つかれなくて彼の顔を見ていたら、ずっと前から知っていたはずの彼の顔が全然違ったふうに見えてきて、私は今まで彼の何を見ていたんだろう、と泣けてきた」。今日子と空子は「いいなあ」。
と聞き入る。

ジュリエットの海
親に振り回され、早く大人になりたかった幼馴染が病に。

開放の呪文
ナンバーワンのテニスプレーヤーが急速に腕を上げた弟を決勝を戦う。
最後の夏

野球チームの次期エースで主将になるはずの後輩が部を辞めるという。



コメント
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