『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1283

2018-05-09 08:03:12 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 ドックスがタブタと顔を合わせる。
 『タブタ殿、用材の納入の件だが、第一回目の納入の期日だが、今月の最終日までにが当方の要望です。おくれても9月の初日には当方の庭先に納入していただきたい』
 『ドックス殿、承知いたしました。納入が早まることがあってもおくれることはありません。よろしく願います。用材の量の関係もあり、陸路を使って馬車を仕立てての納入です』
 『了解しました』
 『頭領、ドックス殿との用材の仕様と量、納入に関しての打ち合わせ終わりました』
 『おう、そうか。両人ごくろう。オキテス、実務担当両者の打ち合わせが終わった』
 建造用材発注を打ち合わせ終えた四人が握手を交わす。
 オキテスがガリダに声をかける。
 『ところでガリダ頭領、今夕の夕食の件だが、統領と俺、タブタもドックスもだが、派遣で来ている五人、当方からも彼らと一緒に作業をしている者数人が水入らずで夕食会を広場でやる段取りをしている』
 『なに!派遣の者らを呼んで夕食会をやる。そこまで気を使ってくれているのか。オキテス、ありがとう。礼を言う。感謝、感謝だ!』
 『それから、頭領とタブタの今夜の宿泊については宿舎を準備している。また、帰りの件だが、朝の第一便で帰るか、昼の第二便で帰るかどうする?』
 『そのことか。それは朝の第一便で帰る』
 『解った。そのように手配しておく』
 四人は改めて手を握り合った。
 『夕食までに少々時間がある。建造の場で話をしたり、気ままに過ごしてくれ。とにかく建造の場に行こう。パリヌルスもいる』
 四人がそろって建造の場に戻ってくる。
 場に戻ったドックスが建造の場の作業者ら一同を招集する。
 『おう、一同集まってくれたな。戦闘艇2艇を完成させた。一同!大変にごくろうであった。ところでだな、9月の初日より新しい建造計画に基づいて戦闘艇3艇、新艇1艇、合計4艇の建造にとりかかる。工期は一か月を予定している。それに備えて船舶4艇の建造の場づくりに明日よりとりかかる。いいな。以上である』
 ドックスが場を見まわして一同と目を合わせる。言葉を継ぐ。
 『今日はこれにて終業する』
 一同から『おう!』と返事が返る。
 セレストスからの伝言がオキテスに届く。
 『オキテス隊長、広場のほうに夕食の場が整いました。もう頃合いだと思います。私が案内いたします』
 『おう、ありがとう』
 『ドックス、派遣の五人、そして、作業仲間五人くらい連れて広場に行って夕食会をやる』
 『はい、解りました』
 『ガリダ頭領らは、俺が一緒に行く』
 一行が揃う、夕食会の準備が整っている広場へと足を向けた。


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