『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FIGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  765

2016-04-23 09:36:11 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おう、ドックス、本題に取り掛かろう』
 『まず、式の運営担当を1艇当たり5名だな。各艇に携わっている者たち全員が艇を進水させる。式の運営責任担当者は、5名のうちから三人を選んで任命してくれ』
 『判りました。現在、各艇の建造にたずさわっているものが50人くらいですから、全員参加で人数も妥当であると考えられます』
 『それでいい!明日から数えて進水式当日まで5日間だ。その日その日の実行項目と段取りを決める、そして、それを木板に書き入れる』
 オキテスは、木板を手に取って、①から⑤までの番号数字を書き入れ、⑤の項目箇所に『進水式』と書き入れた。
 『あとは、ドックス、お前が書き入れてくれ』
 『判りました。隊長、あとでよろしいですから、目を通していただければ幸いです』
 『ヨッシャ!ドックス、それでいい!明日の俺はキドニア行きだ。招待客への連絡打ち合わせは、明日やってくる。式当日の宴の件は俺がオロンテスと打ち合わせる。艇の進水の全責任担当はお前だ。以上だ』
 『判りました』
 『式次第、統領、軍団長らとの打ち合わせは、万事、俺がやる。それで決定だ。朝めしを食べにみんなのところへ行こう。朝めし後、パリヌルスが来る。仕様書きの件よろしく頼む』
 二人は座を立って、朝めしの場へと歩んでいく。
 『ドックス、忘れるところであった。お前が言っていたもう一つの話とはなんだ。めしを食べながらでも話せることなのか?』
 『それは構いません』
 『よし、めしを食べながら話してくれ』
 二人は、みんなのいる朝めしの場に座した。
 『ドックス、いいぞ。話してくれ』
 『はい!実はですね、新艇構造上の問題です。航走している艇に働く外部からの力に抗する構造には充分に配慮して造作をしています。航走の時に発生する横に流されそうな状態になるとき、その横ブレを抑えるのに、現状の構造で充分であるかどうかを両隊長に見てもらいたいと考えています』
 『おう、解った。それについては、午前中に結論を出す。パリヌルスとの仕様書きにどれくらいの時間を必要としている?とにかく昼めし前にそのことをやる!その横ブレを抑える構造だが、ヘルメスにも当然、取り付けているのだな』
 『はい。ヘルメスに造作してあります。新艇は、ヘルメスより、船としての全長が少々長めです。そのようなわけで船としての深さも少々ですが深く造っています』
 『解った。パリヌルスと二人で状態を見て、充分に検討して結論を出す』


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