『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  41

2019-06-10 03:40:31 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 朝行事、身体を海に浸している、彼らに緊張が走る、大日輪が水平線を破る一瞬がおとずれる。
 水平線を破る大日輪の頂点に目をくぎづける、彼らの歓喜の雄叫びが海ずらを走り抜ける、合掌の姿も見える、合掌と言う姿は人が自然にするカタチなのであろうか、興奮と敬虔の光景が現出する。
 アエネアスは瞑目している、決意の実行を誓う、決意のカタチを瞼の裏に描く、余念を抱かず、ただひたすらに成就を誓約して祈る。
 父の姿をまねているユールス、父の風情を見あげる、父子二人の朝行事が終わる。
 アカテスがユールスを迎えに来る。
 朝行事を終えたイリオネスが浜で待っている、朝の挨拶を交わす、今日を打ち合わせる。
 パリヌルスらが顔を見せる、イリオネスは少しばかり緊張の面持ちで彼らと今日を打ち合わせる。
 スダヌスとの話し合いに出席するメンバーについて念入りに打ち合わせる。
 『そういうことだ解ったな!話し合いは午後からと予定している』
 『了解しました』と一同が答える。
 『ところでオキテス、人事のほうだが確定したか?』
 『はい、確定しました』
 『建造の場を統括するのは誰にした?』
 『ドックスです』
 『ドックスに出席を指示しておいてくれ。営業関係のほうの人事も決定しているな?』
 『はい、決定しています。ドックス出席の件了解しました』
 オキテスとの打ち合わせを終える、パリヌルスに話しかける。
 『パリヌルス、アレテスに指示はしてあるな。それからだが、クリテスとソリタンを出席させてくれ』
 『判りました』
 『オロンテス、セレストスの出席だが大丈夫だな?』
 『はい、大丈夫です』
 『おう、一同以上だ。よろしく頼む。用件があれば、統領と俺は会所のほうにいる』
 イリオネスは打ち合わせを終える、場を解く、各自がそれぞれの持ち場へと向かう、アエネアスとイリオネスは会所へ歩を向ける。
 会所におちついた二人は、朝食を終える、スダヌスとの話し合いの段取りを打ち合わせる。
 手抜かりは許されない、念を込める、綿密に筋を組み立てる、水の漏れがない話し合いの手順を組み立てる。
 漁業関係、ポリスの件、体制の総括状態の説明、それらを打ち合わせたうえで船舶の営業関連を話すように話の進め方を組み立てる。
 『なあ~、イリオネス、スダヌスとの打ち合わせが終われば残るは外部との話し合いだな。それについて、時期と誰にどのように話すかを検討してくれ。俺も考える。イラクリオンのエドモン浜頭らとの話をどのようにするか、まだ結論に至っていないお前の考えを今日明日中にまとめてくれ』
 『そうですな、そのあたりをどのようにするかを考えます。スダヌスにあたってみることも考えて検討します』
 『この件は、関係筋、互いの仕事の進め方もある故に簡単とは言えない。俺なりに考えておく』
 アエネアスは、出航の準備をどのように整えるかについて考え始めていた。