彼は、ギアスの問いかけに考えを巡らせた。そうこうしている間にヘルメスは船だまりに帰ってきた。
『もう、帰ってきたか。ほんとにちょいの間の試し乗りであったな、ギアス。この走りなら、櫂舵の水切り、少々大きくした方が効果ありだな。俺はお前の考えに賛成だ』
『浜頭ありがとうございます。今日帰ったら、パリヌルス隊長にこのことを話します』
『おう、そうせい!そこで聞くが、ヘルメスが変わっている、どこをどのように変えた?』
『はい、船底に横ブレを抑える角材を取り付けました』
『そうか、船として進化している、走りが違ってきている。走りが安定している、見たところ航跡も変わっている。いい船になった。当然、新艇にもその造作をするのだな』
『はい、そうです』
『ギアス、ありがとう。俺を試し乗りに誘ってくれた、礼を言うぞ。櫂舵の水切り部分の改良をしろよ!お前の考えについての俺の太鼓判だ。おう、一同、ありがとう』
『おうっ!』一同が答える。
『スダヌス浜頭、ありがとうございました』
ギアスは、去りゆくスダヌスの後ろ姿に礼を述べた。手を振りながら遠ざかっていった。
オキテス、オロンテスの二人は、集散所の小部屋にいる、ハニタスらと話し合っていた。彼らの要件は、ドラクマ銀貨の受け取りと進水催行への出席依頼である。
ハニタスが声をかけてきた。
『あ~、オロンテス殿、先日はご苦労でしたな。私らの考え及ばない大量の木札を受け取りました。ドラクマ銀貨に交換する計算を済ませました。そして、ドラクマ銀貨を準備いたしました。今、お渡しいたします。どうぞ、お納めください』
ハニタスがトミタスに指示する。彼らは、丁寧に応対してくれている。
『トミタス、オロンテス殿に準備したドラクマ銀貨をお渡ししてくれ』
『はい、判りました。オロンテス殿、ただいまお持ちいたします』
トミタスは立ちあがり隣室へと向かう、ドラクマ銀貨をのせた盆をささげて姿を見せる、二人の前に銀貨をのせた盆を置く、丁重に言葉をかけた。
『どうぞ、お受け取りください』
『いただきます。たいへん、お世話をかけました』
『いやいや、そのようなことはありません。それにしてもスダヌス方との取引も結構な額でしたな、このことについては、私どもも大変に喜んでいます。あなた方の仕事の成果が私どもの成果につながっています。うれしいことです』
『そのように言われると私どもの励みになります。ありがとうございます』
オロンテスは、携えてきた袋に銀貨を入れた。
『オロンテス殿、こちらに受け取りのサインをいただければ』と言ってオロンテスの前に文言を書いた木板を置いた。
文言に目を通すオロンテス、木炭を手にしてサインをする、木板をトミタスに渡した。
『もう、帰ってきたか。ほんとにちょいの間の試し乗りであったな、ギアス。この走りなら、櫂舵の水切り、少々大きくした方が効果ありだな。俺はお前の考えに賛成だ』
『浜頭ありがとうございます。今日帰ったら、パリヌルス隊長にこのことを話します』
『おう、そうせい!そこで聞くが、ヘルメスが変わっている、どこをどのように変えた?』
『はい、船底に横ブレを抑える角材を取り付けました』
『そうか、船として進化している、走りが違ってきている。走りが安定している、見たところ航跡も変わっている。いい船になった。当然、新艇にもその造作をするのだな』
『はい、そうです』
『ギアス、ありがとう。俺を試し乗りに誘ってくれた、礼を言うぞ。櫂舵の水切り部分の改良をしろよ!お前の考えについての俺の太鼓判だ。おう、一同、ありがとう』
『おうっ!』一同が答える。
『スダヌス浜頭、ありがとうございました』
ギアスは、去りゆくスダヌスの後ろ姿に礼を述べた。手を振りながら遠ざかっていった。
オキテス、オロンテスの二人は、集散所の小部屋にいる、ハニタスらと話し合っていた。彼らの要件は、ドラクマ銀貨の受け取りと進水催行への出席依頼である。
ハニタスが声をかけてきた。
『あ~、オロンテス殿、先日はご苦労でしたな。私らの考え及ばない大量の木札を受け取りました。ドラクマ銀貨に交換する計算を済ませました。そして、ドラクマ銀貨を準備いたしました。今、お渡しいたします。どうぞ、お納めください』
ハニタスがトミタスに指示する。彼らは、丁寧に応対してくれている。
『トミタス、オロンテス殿に準備したドラクマ銀貨をお渡ししてくれ』
『はい、判りました。オロンテス殿、ただいまお持ちいたします』
トミタスは立ちあがり隣室へと向かう、ドラクマ銀貨をのせた盆をささげて姿を見せる、二人の前に銀貨をのせた盆を置く、丁重に言葉をかけた。
『どうぞ、お受け取りください』
『いただきます。たいへん、お世話をかけました』
『いやいや、そのようなことはありません。それにしてもスダヌス方との取引も結構な額でしたな、このことについては、私どもも大変に喜んでいます。あなた方の仕事の成果が私どもの成果につながっています。うれしいことです』
『そのように言われると私どもの励みになります。ありがとうございます』
オロンテスは、携えてきた袋に銀貨を入れた。
『オロンテス殿、こちらに受け取りのサインをいただければ』と言ってオロンテスの前に文言を書いた木板を置いた。
文言に目を通すオロンテス、木炭を手にしてサインをする、木板をトミタスに渡した。