『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第6章  クレタ  74

2013-04-12 08:18:15 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おっ、そっか。お前らようやったな。感心感心。全員の分も滞りなくやってあるな』
 『はい、もう皆、夕食を始めています』
 『じや~、俺たちも夕飯だ』
 『おうっ!』『おうっ!』
 『お前ら、いやに力、入っているな』
 食べ始めた彼らの夕飯は、気合を入れての食事であった。よっぽど出来上がりに自信があったらしい。彼らは、互いに目を合わせ、うなづきあって食べ物を口に運ぶ風景がそこにあった。
 『おおっ、者ども、こいつはいける。お前らやったな。なかなかいけるじゃないか』
 オロンテスは感嘆の声を上げて、パンをほおばった。
 『うっう~ん、いけるいける、いい味だ』
 気合入りの食事光景であった。
 イリオネスは、統領の家族、そして、アカテスとともに夕食をとった。
 『今日の夕食、いつもと違う。ちい~っと味が違うな』
 『統領、判りますか。何となくなじめる味がしますね。今日、オロンテスは留守にしてましたから』
 『あっ、そうかそうか』
 『統領、オロンテスから急な一報が入っています。それについて夕食の後、パリヌルス、オキテス、オロンテスと私、四人で話し合います』
 『ほう、急な一報とは、何だ』
 『オロンテスがキドニアの街でテカリオンに会ったそうです。明日ここに来ると言っていたそうです』