『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY      第6章  クレタ  70

2013-04-08 09:38:57 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 昼飯は、『旨い、旨い!』で終わった。小屋外の昼めしの場でも、ギアスと漕ぎかた連中が浜頭配下の連中と昼めしをワイワイ、ガヤガヤ、旨い旨いで終わりはねていた。
 イリオネスが統領の耳にささやいた。
 『統領、このあと如何様にはかりましょうか』
 『う~ん、そうだな。昼めしの場で彼らと顔はつないだ。それでいいではないか。イリオネス、この場はこのままでよい。我々は帰ろう』
 『判りました。そのようにはからいましょう』
 彼は外へ出て、ギアスを呼び寄せた。
 『おう、ギアス。お前ら昼めしは終わったか』
 『はい、終わりました』
 『そうか、それでは我々は帰る。帰り支度だ。船、いや、舟艇の出る準備をしてくれ』
 『判りました』
 ギアスは、漕ぎかた連中を促して、出航の準備を抜かりなくやった。
 『おい、者ども艇の具合はどうだ』
 『不具合、異常はありません』
 『そうか、それは重畳、出航はいつでもいいな』
 『はい、いつ何時でも、OKです』
 『判った、ご苦労』
 ギアスはイリオネスに報告した。
 小屋では、アヱネアスが昼めしを馳走になった礼を言っていた。