『オロンテス、もう始めてもいいかな。』
『え~え、よろしいでしょう。』オロンテスは、集まった市民たちを見渡して答えた。
『お~お、皆、良く集まってくれました。日頃のご苦労に深く礼を言います。本当にありがとう。』 と述べて、アエネアスは、一同を見渡した。
『今日、市民の皆さんに伝えておきたい事は、今、我々がどうしても避けることの出来ない事態を迎えたことです。上陸のときに一戦を交えたポリメストルの軍とポリメストルがアガメムノンに派遣を要請した援軍と、明朝、このエノスの浜の東端、この地からは、12~3キロ離れている、その荒野の真ん中を戦場として戦います。生存を賭けた戦いです。生き残れるか、全滅かです。中途半端はありません。我々の部隊が敗北した場合のことについては、オロンテスに託しておきます。いいですね。』 アエネアスは、話をきって、オロンテスに向かい声をかけた。
『オロンテス、頼むぞ。』 と短く言った。アエネアスの話は続いた。
『市民の皆さん。このことについて心を決めておいていただきたい。我々の部隊は、今夜、深更に至れば、戦場に向かって、この地を離れます。以上です。あ~あ、それから、もうひとつ、建国のこと、今後のことについては、この戦いを終えてから話したいと思っています。』
場は、緊張でしわぶきひとつなかった。一同の表情は引きつりを起こす寸前までに締まっていた。話し合いと言っても、アエネアスからの一方的な通告であった。彼の心身も、この期に及んで針の一突きで破裂の寸前までに膨らんでいた。
『え~え、よろしいでしょう。』オロンテスは、集まった市民たちを見渡して答えた。
『お~お、皆、良く集まってくれました。日頃のご苦労に深く礼を言います。本当にありがとう。』 と述べて、アエネアスは、一同を見渡した。
『今日、市民の皆さんに伝えておきたい事は、今、我々がどうしても避けることの出来ない事態を迎えたことです。上陸のときに一戦を交えたポリメストルの軍とポリメストルがアガメムノンに派遣を要請した援軍と、明朝、このエノスの浜の東端、この地からは、12~3キロ離れている、その荒野の真ん中を戦場として戦います。生存を賭けた戦いです。生き残れるか、全滅かです。中途半端はありません。我々の部隊が敗北した場合のことについては、オロンテスに託しておきます。いいですね。』 アエネアスは、話をきって、オロンテスに向かい声をかけた。
『オロンテス、頼むぞ。』 と短く言った。アエネアスの話は続いた。
『市民の皆さん。このことについて心を決めておいていただきたい。我々の部隊は、今夜、深更に至れば、戦場に向かって、この地を離れます。以上です。あ~あ、それから、もうひとつ、建国のこと、今後のことについては、この戦いを終えてから話したいと思っています。』
場は、緊張でしわぶきひとつなかった。一同の表情は引きつりを起こす寸前までに締まっていた。話し合いと言っても、アエネアスからの一方的な通告であった。彼の心身も、この期に及んで針の一突きで破裂の寸前までに膨らんでいた。
