『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  59 

2009-10-08 07:16:19 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 テラキスの一行は、アガメムノンの幕舎に赴いた。
 『お~お、テラキス待たせたな。話がまとまったぞ。喜べ、いい知らせだ。ここにいるのが、援軍の労を引き受けてくれる、ポリス・ラミアレの領主、ラミドトスだ。彼らは、今日、帰国の途につくところを無理を言って頼んだのだ。』
 これだけ言うとアガメムノンは、ラミドトスのほうを向いた。
 『ラミドトス、紹介する。こちらが援軍の派遣を頼んできた、トラキア、ガラの湖の南からエノスにかけての一帯を領している、ポリメストルの腹心のテラキスだ。援軍の件をよろしく頼む。今日、海は落ち着いているらしい。今、出航すれば、夕刻には現地の浜に着くであろう。では、頼んだぞ。宜しくな。帰りの航海の無事を祈っている。』
 『アガメムノン統領。私らは帰国の途につきます。統領もお達者で。』
 ラミドトスは、別れの言葉を述べた。
 テラキスもアガメムノンに丁重に挨拶をして、ラミドトスとともにアガメムノンの幕舎を辞した。
 彼らは、ラミドトスの軍船に赴き、打ち合わせを終え、即時、出航することにした。