『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  69 *欠字しました。お詫びいたします。

2009-10-22 08:21:37 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 欠字の訂正
 4行目。 ーーー戦闘を控えていると雰囲気はーーー
 この箇所を下記のように訂正いたします。

      ---戦闘を控えているといった雰囲気はーーー     

第2章  トラキアへ  69

2009-10-22 07:32:15 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは多忙であった。
 戦仕度を整えつつある現場を見て廻った。イリオネス、アレテス、パリヌルスたち幹部連は、隊長たちに作戦の要諦と各隊長たちへの役務を説明し終えていた。兵たちは、小屋の建設に手を貸している。市民たちは、日常の些事に動き回っている。明日に熾烈な戦闘を控えていると雰囲気は感じられなかった。
 アエネアスは、オロンテスの姿を探した。彼は、小屋の建設現場であれこれと動き回っていた。アエネアスは、オロンテスを呼び、市民たちとの話し合いについて打ち合わせた。
 ユールスは、建設現場から拾い集めてきた木切れで、祖父と楽しく遊んでいる、この風景がアエネアスの網膜にやきついた。しばしの間である、ユールスとこの遊びのときを過ごした。猛き心のなかの優しさがこみ上げた。
 話し合いのときが訪れた。オロンテスが前列の真ん中に座している。涼しい風の通る林の中の空間である。市民たちの表情には、どことなく不安が漂っては入るものの目の輝きは澄んでいた。彼らの思いは、如何なる困難も貴方とともにならと言った互いの信頼感の絆が強く感じられた。頼る者、頼られる者、アエネアスは、この市民たちに我が命を捧げても、是とすることの出来る自分であることを思った。