日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「瀬枕」の歌

2011年08月02日 | 日記
 知人に送ってもらった本に、ご本人が撮った川の写真がありました。川の上流、山間の岩の多いところを、溢れるほどの清流が流れ、大きな岩の上で水面が盛り上がって(古語ではこれを「背枕(せまくら)」と言います)、遠目にも水紋の力動が伝わってきます。その光景は、私にも見覚えのあるもので、いくつかの記憶が甦ってきました。夏の思い出を凝縮させた歌です。


みなぎろう かわのせまくら ゆくらかに こころせかるれ ただまもりいる 
みなぎらふ 川の背枕 揺くらかに 心急かるれ ただ目守りゐる(麟伍)
(水流の多い川が、大岩の上で盛り上がって、透明な水紋が、激しくしかし静かに揺れ動いて、見ていると押し迫った気持ちになるけれども、心が落ち着かないまま、じっと見守っています)
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