しばらく更新する時間がなく、何度も見てくださった方には、申し訳ありません。
次の章に移る前に、最近詠んだものを、自注付きでご紹介しましょう。
今年の夏は桁外れに暑かったですが、秋の雨も、生暖かいような、肌寒いような、微妙な雨が多いようです。そのような雨の後、晴れ間が出てきて、夕映えが金色に輝いて、空を覆っていました。左右から木立で覆われた、森の中の広い遊歩道を歩いていくと、光の回廊のようでしたが、ふと左手の上から音がして、見ると、高い木の上のほうで枝が折れて、周りの枝にひっかかりながら、スローモーションのように、下草の上に落ちていきました。枝が落ちるのを見たのは、はじめてで、驚きました。
そのときの情景を詠んだ歌です。
長雨の 止みたる森の 夕映えて 高枝の折れ 落ち沈む音
推敲前には、最後の句を、「落ち沈みゆく」というのもありましたが、サイレントの映画のような印象が残り、枝がひっかかりながら落ちてゆく様子、下草にやわらかい音を立てて沈む様子を強めたくて、このようにしました。
では次回より、いよいよ「花の風」の終わりに入ります。
次の章に移る前に、最近詠んだものを、自注付きでご紹介しましょう。
今年の夏は桁外れに暑かったですが、秋の雨も、生暖かいような、肌寒いような、微妙な雨が多いようです。そのような雨の後、晴れ間が出てきて、夕映えが金色に輝いて、空を覆っていました。左右から木立で覆われた、森の中の広い遊歩道を歩いていくと、光の回廊のようでしたが、ふと左手の上から音がして、見ると、高い木の上のほうで枝が折れて、周りの枝にひっかかりながら、スローモーションのように、下草の上に落ちていきました。枝が落ちるのを見たのは、はじめてで、驚きました。
そのときの情景を詠んだ歌です。
長雨の 止みたる森の 夕映えて 高枝の折れ 落ち沈む音
推敲前には、最後の句を、「落ち沈みゆく」というのもありましたが、サイレントの映画のような印象が残り、枝がひっかかりながら落ちてゆく様子、下草にやわらかい音を立てて沈む様子を強めたくて、このようにしました。
では次回より、いよいよ「花の風」の終わりに入ります。