日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

第5巻のあとの短い茶話

2010年12月16日 | 日記
第5巻には、万葉集から4首、玉葉集から2首、紛れ込ませておきました。玉葉からの1つは、「君」を「妹」に変えましたので、元に戻しておきます。
( )内の数字は、万葉は通例の通し番号、玉葉は岩波文庫のページ数です。

玉葉の2首のほうが、やはり、はるかに繊細ですね。



いにしへに ありけむ人も 我がごとか 妹に恋ひつゝ 寝ねかてずけむ
   (万葉、497)

事もなく 老ひ来しものを 老次に かゝる恋にも 我は会へるかも
   (万葉、559) 

黒髪に 白髪交じり 老ゆるまで かゝる恋には いまだ会はなくに
   (万葉、563)

相見ずは 恋ひざらましを 妹を見て もとなかくのみ 恋ひばいかにせん
   (万葉、586)


先の世に 人の心を 尽くしける 身の報ひこそ 思ひ知らるれ
   (玉葉、211)

夜の雨の 音にたぐへる 君なれや 降りしまされば 我が恋ひまさる
   (玉葉、233)



次回から、最終の第6巻に入ります。その後に解説を付けて、一段落となります。

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