この人ならだいじょうぶ。
母に替わって私が太鼓判を押しましょう。
何がどう大丈夫なのかは、これからです。
私達は、見守るしかありません。
明け方になると、妻はぐっすり眠ります。
私は、じっくりと絵を描いたり、文章を書いたりします。
合間に、ご飯を仕掛けたり、コーヒーを淹れたりして時を過ごします。
今日のタイトルは、「ぐっすり眠る」です。
思いつきのようなタイトルです。
付けたからには仕方がない。考えたり感じたことを書くようにしましょう。
川畑康成の小説に、「眠れる美女」がありました。
緋毛氈が敷かれた部屋に、薬を飲まされて美女が寝ているという設定です。
秘密クラブに通う老人たち。
決して手を振れたりしてはいけない。話しかけてもいけない。
老人は、寝かされている健康美溢れる美女の体温を感じ、想いを馳せるのである。
素性は、何か。
自分に手助けができることはないのかと、眠る美女を愛おしく思うのです。
私は、高校生の時この小説に会いました。
頭の中がはじけるようでした。
今こうして妻の寝顔を覗いているわけです。
普段は見せないそのままの姿です。
ありがとう。
人は、起きている時は何かとよく見せようとします。
あるいは、気を引こうとします。
そんなことはどうでも良い。
寝てしまったんだから。
寝相や寝顔のことをどう言われようが、どうにもならない。
そのままです。
この無邪気な寝姿こそ神々しい。
川畑康成は、そのことを言いたかったんではないでしょうか。
しかし、老人とて男。
この危うい関係こそ、煩悩。
人間がいつまでも人間らしくいられる、本質のような気もします。
ぐっすり眠りましょう。
足を投げ出し、何もかも忘れて眠ることこそ幸せです。
ひまわりが ウインクしたよな 雨しずく
2016年9月20日