故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

赤ぽく

2021-09-30 02:17:22 | よもやま話

絵のタイトルは、「赤ぽくを知ってるか」です。
この子は、当然知っている。
この地で、昔石炭を掘っていたことまでは知らないかも。


一休み 気づけばとんぼ 忙しか

妻は、いんげん豆(さやに紫の模様が出、熱を加えると鮮やかな緑色になり、美味しい)と
小豆(アンパンの餡用に使用)の収穫に忙しい。
草刈は、一段落です。
草も温度が下がるとともに、種をつけ冬支度です。
いじわるで、ゴボウの収穫を避けていたのではない。
植えるのはやめてとお願いしたが、妻は20本ばかり植えた。
それが、よくできたのです。
ゴボウは、80cm掘らないと折らないで根全部を収穫できません。
掘る機械を持っている農家しかゴボウを植えません。
この辺りでは、一軒だけです。

今日のタイトルは、「赤ぽく」です。
那須山の火山灰が降り積もり、「黒ぽく」となる。
この辺りは、元々は炭泥地で「赤ぽく」と言われる。
「赤ぽく」の上に、「黒ぽく」が積もる。
黒ぽくが1mのところもあれば、台地の畑などはいきなり赤ぽくである。

雨が降ると、赤ぽくの畑はぬかるんでは入れない。
鋤いても、ぽくぽく(スライス状)である。
黒ぽくの畑は、雨が上がり半日もするとさらっと乾きます。

問題のゴボウ掘りは、80cm掘ると赤ぽくなので、赤ぽくが見えたらそろそろ収穫です。
今年のゴボウはよくできて、赤ぽくまで伸びていた。
妻のごぼう掘りは、黒ぽくまでで、赤ぽく部分は折り取ってしまう。
意地になり、粘る赤ぽくまで掘り進む。
ほぼ無傷で、10本を収穫できました。

妻は、大満足です。
ゴボウを天ぷらにして、煮物にして出してくれました。
私は疲れ、ゴボウを味わうこともなく眠りについた。

2021年9月30日

<<あとがき>>
今日は、宿敵とゴルフの日です。
私は、姑息にも体力温存を計った。
引っ越しの疲れとゴボウ堀りで、夢も潰(つい)えた。
(筆者)
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おらが村の自慢

2021-09-29 11:19:44 | よもやま話

絵のタイトルは、「あとは任せたよ」です。
正直だけでは生きていけない。
そんな世の中です。
知恵を使って、汗をかいてわがものにするしかないのです。

角曲がり 金木犀が いたのかよ

読者数が気になります。
書くと100人、書かないと30人です。
嬉しいことですが、一種の強迫観念に襲われます。

今日のタイトルは、「おらが村の自慢」です。
私は、福島ナンバーで東京にも広島にも行きます。
東京ナンバーが、近所に止まっていると心配になります。
親が、あとから責められるようです。

江田島・古鷹山の林道を走っている時、すれ違おうとした車が止まり、笑顔で声をかけてきました。
「福島ナンバーですね。懐かしい」とドライバーが言われます。
10年前の震災の時、行ったことがある。
古鷹山の林道修復にボランティアで参加していると言われました。
後に地元の友人に彼の名を伝えました。
彼はバキュームポンプ(彼の会社の特殊技術)を積んで、
震災後すぐに福島に入ったと、友人は教えてくれた。

さて、「おらが村の自慢」です。
皆さん、就職試験の時、自分のアピールポイントを的確に説明されたことがありますか。
ここに来て間もない頃、移住したこの地域のよいところはどこかと聞かれました。
敢えて、「何もないところ」と答えました。
米が美味しく、果物が自慢の地域です。
そんなに自慢なら、後継者を育てたらと思ったものです。

私は、「交換留学」を考えています。
東京から先はすべて関東で地図が明確に入っていない広島県人が大勢います。
会津にいる広島県人はいまだに広島弁を封印しています。
ここの人は、戊申で戦った長州と広島の違いが分かりません。
大阪から向こうは、みな一緒です。
若い世代が互いに、山の生活と海の生活を体験したらと考えます。

自慢を話す時、おすすめ料理をご馳走するとき、はたと悩みます。
自分が住む地域の自慢話は、なかなかできないものです。
私は、島が嫌だから東京に出ました。
そんな奴が故郷に帰って何ができますか。
NHKドラマのモネで放送されたように、「そんなのきれいごと」と言われるでしょう。
交換留学では、子どもが中心になって、互いに暮らしを学びます。
子供に「何が自慢」と教えて来なければ、子どもは伝えることができません。

でも、心配はありません。
普段、近所の人におすそ分けするものが、ここがよかったよと話をすることが、自慢なのです。
自分が作って、少しだけよいものをおすそ分けします。
感動した景色を話します。
面白かったことを家族や友人に話します。
すべて、「おらが村の自慢」なのです。

似顔絵の話をまたします。
「よいところを探す」のが、似顔絵描きのコツです。
良いところを探す癖を大人が持ち、子どもに伝える。
にわか作りのイベントも悪くない。
100年以上続くだるま市や奉納相撲(祭り全般)が受け継がれる。
誰もが、「俺にも手伝わせろ」と率先して手をあげる。
こんな日常が、地域に根付いています。
パキスタンで、「来いよ」と、毎日値切り交渉に付き合わされました。
市場で毎日会う店主にウインクされました。
「来いよ」
これなんです。

「交換留学」ができたらいいですね。

2021年9月29日
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前途多難

2021-09-27 03:07:18 | よもやま話

絵のタイトルは、「山の道」です。
短編小説「さなさん」の挿絵として描きました。
これから、少しずつ歩きましょう。


子の前で 気持ち十代 ころんだがな

今日のタイトルは、「前途多難」です。
島の生活で求められるのは、強靭な足腰です。
いずれ免許は返納となります。
頼りは、自らの足です。
故郷とはいえ、50年前の暮らししか知りません。
高校生の頃、フェリーが見えてから、上り30分、下り20分かかる道を5分で駆け下りました。

トラックを寺の前の駐車場に置いて、軽い荷物を持って歩き始めました。
あれ?
50年、電車を使い車を使いました。
今や、駅構内の階段さえ使わない。
身体が上に前に進みません。

車で行く距離にしか、コンビニやスーパーはありません。
コンビニ難民(歩いて10分:暮らしの中で年寄りが歩ける距離、約500m)です。
お寺の前には、乳母車が何台も横づけになっています。
毎朝、乳母車に寄りかかりながらお参りをする。

変わらないのは、山河と海です。
故郷の暮らしは、50年前の自分の中にある記憶だけでした。
これは、心してかかるしかないようです。

2021年9月27日
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苔むさない墓

2021-09-25 08:38:49 | よもやま話

絵のタイトルは、「唐柿(とうがき)」です。
小さい頃より、この果物をこう呼んでいました。
上京して、「いちじく」と呼ぶことを知りました。
おなか一杯にならないガキの頃は、熟した唐柿をほおばっていました。
乳汁が口の周りについたら、口は裂けてしまいました。
東北に来て、青いイチジクを煮て食べることを知りました。




今日のタイトルは、「苔むさない墓」です。
第一回目の荷物運搬は、無事に江田島に到着できました。
高速道路を多く通ったため、1200Km、29時間の旅になりました。
何度も雨除けのビニールシートが破けてはだけるのを直しました。
キャンバス地のシートを購入するきっかけになるでしょう。

少し肌寒い朝を迎えました。
見える景色は、どんどん緑の濃さが増す山の風景です。
島のいたるところに、墓地があります。
自家が保有する一番景色の良い畑に配置されています。
そしていつもきれいに草がむしられています。
緑の中にぽっかりと御影石が光って見える。
墓地だけは、獣除けの柵がありません。

引っ越しは、いつも複雑な気持ちです。
新しい場所でうまくやっていけるか不安もあり、わくわくもします。
我が家もカフェも畑も、まだ片付きません。
多くの方々に名残も言えておりません。
二重生活が、重いのでしょう。

2021年9月25日
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引っ越しの功罪

2021-09-23 01:42:26 | よもやま話

絵のタイトルは、「これからも」です。
私の引っ越しは、今回が最後でしょう。
若い君は、これからも続くでしょう。


満月の 骨になる迄 過客なり  
  
今日のタイトルは、「引っ越しの功罪」です。
引っ越し貧乏という言葉があります。
敷金礼金、移動費を都度払ってきました。
機材や家具を移動させるから、梱包・運搬・荷解きと人件費と運搬費がかかります。
何よりも、やっとなじんだ近所をリセットし、新しい環境に慣れるのに時間がかかります。
私は、これまで20回以上これをやっています。

学生時代に10回、社会人になって10回以上。
学生時代の移住は、電車、リアカー、乗用車、身一つと様々です。
あっけらかんとして、人生の旅路みたいなものでした。

家族が増えるごとに、厄介になりました。
私が二人の子供の手を引き、かみさんは幼子を背負い両手に荷物と子供がぶら下がっていました。
さすがに、不動屋さんは困っていました。
家賃をまともに払ってもらえるのかと言う顔つきに見えました。

私は、転職と梱包の名人になりました。
近所と環境の変化を楽しめました。
家族は、特にかみさんは、あぜ道を歩きながら涙したこともありました。
単身赴任は一度もなく、ヤドカリのごとく家族を連れてを移り住みました。
狭いながらも庭付きを探しました。
子供のおしめと私の褌が一緒に干されていました。
子供のおしめが取れた頃、褌も捨てられました。

一年使ったことがない。
移った先で、買えば済むこと。
暑い寒いで機材と服装が変わります。
札幌のマンションで、持ち込んだオープン型のストーブを点け、
飲んだまま寝て死にそうになりました。
長時間、サウナ状態のなかにいたのでした。
都度、ものを捨てる。
生活や機材に併せて、家を改造する。
物理的な物ごとは、大したことはありませんでした。
人生のリセットがありましたが、お金で済みました。

子供がぐれなかったのが、せめてもの救いでした。
都会は、気に入った人と付き合えばよく、なじむのが短時間で済みました。
田舎(地縁血縁が最優先の地域)は、そうはいきません。
人そのものが問われました。
地縁血縁も意外とやっかいだと気づき、
期待されな不自由さが、何をやっても良い自由に変わりました。

今度こそ、断捨離と意気込んでいます。
ところが、引っ越し荷物にかぼちゃ、芋類、乾燥豆類と各種種が加わります。
業者に頼まず、DIYをやる予定です。大工道具が増えることでしょう。
せっかくパン焼きを覚えたからとパン焼き機材と粉も運びます。
軽トラ、カンリキに草刈り機とチェーンソーが加わります。
立って半畳、寝て一畳のシンプルライフはいずこ(刑務所がそれかな)やらです。
今回も上手に整理できないようです。

2021年9月23日
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