故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

残り物

2024-08-29 06:51:21 | よもやま話

絵のタイトルは、「気品」です。
似顔絵を描く時、一番の笑顔をこさえてくれます。
残る、いやこれからの最高の笑顔です。


今日のタイトルは、「残り物」です。
残り物に福あり(人が先に取って残っている物に思わぬ利得がある:広辞苑より)という
格言があります。
不安を伴い、先取りしようと争います。
台風の前に備えることとは少し違います。
人より大きくなれ、賢くなれと親たちに望まれました。
知恵と体力がついてからでも十分間に合った。

年齢を重ねると、残り物を片づけようとします。
潔く捨てればよいのですが、それができない。
何かの役に立つのではないかと取っておきます。
冷蔵庫の中のタッパの多さに気づかされます。
蒸し卵、サラダに使った野菜、煮汁などなどタッパが7つもありました。
牛乳に残り物を入れ、鶏がらスープで味付けし、ごった煮のスープを作りました。
サラダの中のブルーベリーが紫色を作りました。
結局、妻は飲まずに私一人が片づけました。

年寄りたちが、娘たちに無用なものを捨てなさいと言われる。
捨てられないから残っています。
私は積極的に引き取ります。
再利用したり、捨てられない人に替わってゴミ捨て場に運びます。
年寄りたちは、あることができなくなる。
その部分を解決すれば、何の支障もありません。
例えば、冬の間固くなった畑です。
私が3時間も耕運機を走らせればふかふかになり、年寄りは秋まで花を植えたり野菜を育てたりできます。
残っている体力を余りある知恵が働かせます。

あと何年、とうに平均寿命を越しているのに考えます。
若い時に、あと何年と気づいていれば人生は豊かになったはずです。
私はさらに20年を生きようと、果樹を植えました。
耕作放棄地の草を刈り、刈るだけでは面白くないと、世話のかからぬ芋類(地下で収穫)を植えます。
生え広がっても困らぬ薬草(ハーブ類)を植えます。
なんでも植えれば、収穫欲が働かせます。

残り物どおしが再婚しました。
分かち合う輝きがありますが、働く機会が増え面倒でもあります。
何に対して残ったものか分かりません。
何時が満てるときか、何を差して満足なのか分かりません。
そもそも、生きるだけで不要物を作り出し、汚れもの(後悔、残り物)を出し続けます。
考えるだけで、恐れるだけで馬鹿々々しくなります。
台風に備えるだけで十分ではないでしょうか。
あとは、なるようにしかならない。

残り物に福もなければ、災難もない。
あるがままです。
想いのままです。
楽しく生きていてよいんです。

2024年8月29日
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妻が先立つ(シミュレーション)

2024-08-23 06:08:45 | よもやま話

絵のタイトルは、「永観堂」です。
何をやっても、考えても辿り着くのは、謎の微笑です。
ばーかと突き放すわけでもない。
ただただ、見守る地蔵です。


皆さんも一度は考えたことがあると思います。
私は、二度経験することになるやもしれません。
かみさんを亡くしたのは、もう14年前です。
今日のタイトルは、「妻が先立つ(シミュレーション)」です。

かみさんが亡くなった時、いろいろと不具合が出ました。
まず、時間が止まった。
一日の長いこと。
子供とコミュニケーションが取れなくなりました。
それまでも、子供が私に直接話しても、お母さんに話してくれると伝えました。
双方向とも、かみさんが仲立ちをしていました。
子供にとって、私は神様。
かみさんの都合に応じて、大いに捻じ曲げていました。
私と直接話すようになった子供の感想は、違ったねでした。

仕事馬鹿でした。
趣味は、飲む打つ買う。
たくさん出てきた通帳、保険の手続きや支払いのすべて、そしてハンコはどこ。
仕事以外の、家や家族に関することの一切が不明でした。

過去の無知を申し訳ないと、恥じ入るばかりです。
再婚を機に、妻をいつ亡くしても独りで生きていける準備をしています。
妻がつける家計簿を見習っています。
料理・洗濯・掃除を率先してやっています。
畑仕事も積極的に関わっています。
但し、筋肉労働(耕うんと草刈りのみ)だけなので、ソフトを学んでおかなければと焦っています。
猛暑が続き、筋肉労働に水やりが増えました。
種を、苗をいつ植え、どのように育て、収穫するか知りません。
不具合を経験したのに、未知だらけです。
年金が半分になり、免許を返納し、どのように暮らしていくのか挑戦ばかりです。

子供が迷わぬように、遺言を早く書けと妻から再三言われています。
結婚前の独身時代とは違います。
年金はこれこれ、施設に突っ込んでおくれと息子に頼んでいます。
一日2食を365日、料理を作り続けなければなりません。
考えても仕方がない。
なるようにしかならない。
妻が先立つシミュレーションも結局失敗するでしょう。
あまりにも未知の事項が多過ぎます。
後家のところへ、ゴロにゃんと居候するわけにもいかんでしょう。
お互い耳が聞こえぬ喧嘩は、近所に筒抜けです。
まず、妻が死ぬ前に7年間(平均)は、介護をしなければなりません。

あと20年、重い(軽いかも)墓標を背負って生き続けます。
なんとしんどいことか。
重しが取れて、羽が生えるやもしれません。
ああ、分らぬことばかりです。

2024年8月23日
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おお、忘れていた

2024-08-21 05:53:58 | よもやま話

絵のタイトルは、「去る者は追わず、来るものは拒まず」です。
時は残酷であり、一方甘味です。
忘れることで助けられる。


忘却は よきも悪しきも 踏みにじれ

あれとそれ 老いも若きも 甘ごとに

朝一番、今日は何の日、予定はとカレンダーを見ます。
隣の部屋に行き、なんだっけ。
そんな具合なので、イベントや約束事はカレンダーの日付に丸を付け、用件をメモします。
およそ、1/3は埋まります。
半分埋まると、圧迫感があります。
先輩が心配する、カレンダーが埋まらないとはどのくらいの期待感でしょう。
今日のタイトルは、「おお、忘れていた」です。

司法書士殿に送る書簡の作成を忘れていました。
今日はゴルフ、明日には必ずしなければならない。
歳を重ねるごとに、宣言タイプになりました。
口に出し約束する。
例えば似顔絵描き、描くと約束して1/3は闇に葬り去られます。
今年の5月に約束した同窓会に出席した全員(140人くらい)の似顔絵は一枚も済んでいません。
口約束の半分が達成されれば良しです。

ところで、で始まる妻の進言(口癖なんだろう)に恐れ慄きます。
来たな。
出来ぬ、と防御線を張ります。
何十年も経った、「おお、忘れていた」は夢で大いに反省させられます。

これからは、「おお、忘れていた」ことさえも気づかぬようになるのでしょう。
なんのことと惚(とぼ)ける様が目に浮かびます。
買い物は、都度メモします。
メモを持ちながら、赤札に気を取られ、買い忘れてしまう。

「おお、忘れていた」が日常になりました。
健康に過ごすため、忘れてしまえ。
「お父さん、さっき食べたじゃない」と娘に言われる日もそう遠くはあるまい。

2024年8月21日
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歌のちから

2024-08-20 06:39:08 | よもやま話

絵のタイトルは、「AKB48 終わらぬ孫ワンマンショー」です。
爺聞いてと、2,3歳の孫が椅子の上に上がって歌ってくれました。
恋するフォーチュンクッキーであったか。
身振り手振りをまじえて、覚えている歌詞を繰り返し歌ってくれました。
私は飽きもせず、孫の歌を聞き続けました。


今日のタイトルは、「歌のちから」です。
愚図るちいさき我が子に、母親が子守唄をささやく。
行き詰る人々を勇気づける。
感動のあまり涙を流す。
争いが止まらない人々に、イマジンの歌が流れる。

ソプラノ歌手が、歌を選んで届けてくれた。
中島みゆき
一青窈
荒井由実
さだまさし
の歌だった。

平易な言葉で、日常のなにげない風景を紡ぐ。
こんな言葉をよく思いつくものよ。
気になるフレーズが、耳にここちよく残る。

歌は勇気をくれる。
歌はなぐさめてくれる。
伝えたい気持ちを代弁してくれる。

私も言葉で表現できたら嬉しい。
少なくとも、感動するしたたかさと潔さを持続したいと思います。

2024年8月20日
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やめられない苦楽

2024-08-19 07:19:10 | よもやま話

絵のタイトルは、「これからぞ」です。


今日のタイトルは、「やめられない苦楽」です。
世に依存症という言葉がある。
一度かかると、その泥沼から抜け出ることは容易ではない。
万馬券を当て、給料の10倍のお金を手にする。
すでに100倍のお金を費やしていることは忘れている。
美味しい酒を飲み、楽しい時を過ごす。
また、同じ体験をしたいと飲んでしまう。
やがて癖になる。
打たないと、飲まないと気が狂いそうになる。
何か幸福を失なうんではないかと不安になる。
いけないと知りながら、身内の金を盗む。
払えない借金をする。
依存症前の状態になるまで、一生かかるかもしれない。
いや、一度かかると弱い自分と一生戦うことになるであろう。

枯れ木とあきらめた。
水をやる。
3日目か一週間後か、かわいい芽を出している。
もちろん死んだままの野菜もある。
芽を見たら、水をもう切らせられない。
眠いのを起きだし、暑いのを我慢する。
とにかく続けるしかない。
芽が花になり、小さな実が付いている。
そうなると、茎は勢いよく伸び次から次に花がつく。
猛暑を楽しんでいるかのように、空を突く。
身体がきつかろうと、続けざるを得ない。
寝てても起きる。
まだ暗かろうと、水をやらなければと起きだす。

辛いことよ、ありがとう。

2024年8月19日
(あとがき)
PGAゴルフのプレイオフ第1戦で松山英樹が優勝した。
5打差の楽勝ムードの単独首位。
狙わなくてもと、誰もが思った。
ファイターは最後まで逃げなかった。
池に入っても前を向いている。
8mのバーディーパットを17番で入れた。
一打リード。
最終ホールも攻めた、攻めた。
決してあきらめない、戦うドラマを見せていただいた。
(筆者)
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