毎年ここでモクレンを写すのが恒例になっています。このモクレンは鉄道際にあります。木に大きな花がわんさかとあるのを見ると,遠くからでもとても目立ちます。ときにはそれに引き付けられてカメラマンがやって来ます。わたしもそのうちに一人なのです。
先に撮影準備をしていると,もちろんわたしが入って行けるわけがありません。というのは,わたしの場合は接写を入れた撮影なので,どうしても花に近づくほかありません。それで,先客がある場合は諦めます。いない場合に限っての撮影なのです。しかも鉄道は廃線が取りざたされているローカル線で,電車の本数がとてもすくないので,それなりに苦労します。
電車のヘッドライト右奥の木の間,ずっと遠くに家の屋根と電柱が写り込んでいます。撮影ポイントから300mは離れているでしょうか。こうした情景を写せるのがこのレンズの特性です。
わたしの撮影ポイントは花を主役にして電車を花の上に走らせたい,というものです。花弁が大きいため,開いてもそれは無理な構図なのですが,それに近いものを撮りたいと思うのです。
できればヘッドライトを写し込みたいと思います。なんだか贅沢な感じなのですが。でも,下写真のように枝がそれを遮ったらどうしようもありません。
モクレンの花は開き始めるとほんの数日で萎れかけます。油断していると,とっくに満開を過ぎているということがあります。すぐ上の写真もまたそうで,一日遅かったのでもうあちこちに花弁が落ちていました。旬を逃さないというのはむずかしいものです。