自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ホトトギス,花の構造

2016-10-30 | 

ホトトギスの花の咲き方はおもしろいなあと感じます。多年草なので,一株植えるとどんどん殖えます。どんどん殖えるので,花がわんさか咲きます。これだけ花がさくのだから,相当結実するだろうと思うのですが,それがさっぱりなのです。株は頑固なほどに丈夫です。株がしっかりしているのだから,実がほとんどならなくてもよいのです。

その代わり,他家受粉で結実することを理想としているはずなので,ときに実ができる程度でじゅうぶんなのだと思われます。大した度胸の持ち主です。 

花が開き始めました。色でアピールしているのでしょう,わたしの花では匂いはまったく感じません。

 


花弁がパァーッと開きました。花弁は6枚。1つおきに同じ大きさの花弁が配列されています。花弁根元にある黄色い斑点は,蜜源に昆虫を誘うための戦略と思われます。 


真上から見ましょう。花弁の大きさ・かたちの配置がよくわかります。オシベは6本。メシベ先の柱頭は3つに分かれています。ホトトギスの花は基本数が3なのです。 

 
オシベはメシベを包むようにしてあります。その先,葯を見ると,花粉が見えます。あふれるほどの量には見えません。ずいぶん控えめだなあと感じます。

 
オシベは役目を果たすと,メシベから離れて落ちていきます。

 

 
すると,メシベの根元にある子房が現れます。

 


この中に胚珠が入っているので,確かめてみました。部屋は3つに分かれていて,1つの部屋に行儀よくたくさんの“種子の赤ちゃん” が並んでいます。

 

 
でも,ほとんど結実せずに落下します。わずかな数だけ熟しても,ずいぶん多くの種子ができるので,そう慌てる必要はなさそうです。

運よく受粉が成った子房がありました。確かに生長しています。観察を続けていきます。

 

 


最新の画像もっと見る