自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサクと昆虫(23)

2014-03-14 | マンサク

花弁の横断面は軽く湾曲しています。その大きさは幅が2mm,長さは2.0cm~2.5cm。

この花弁の窪みに,小さな昆虫がいました。体長はせいぜい2mm。 


まったく動かないので,近寄って撮ることができました。時折,脚を動かす動作が見られました。かたちから見ると,ハチかアリのなかまのようです。もしかすると,コマユバチかもしれません。

もちろん,マンサクの花がお気に入りなのでしょう。その証拠に,胸の背面,脚に花粉がわずかに付いています。


もっとよく見てみましょう。長い触角で,餌がちゃんと嗅ぎつけられるのでしょう。数珠状の立派なものです。胸には,確かに花粉がかたまって付着しています。 

 
わたしは,花粉を餌にしているように勝手に思い込んでいますが,実際はそうではないのかもしれません。もしかすると,花にやって来る小さな昆虫を捕獲するのかも,です。花の中にいる風景をとらえない限り,正確なところはなんともいえません。

生態には行動が伴ないます。というより,行動が大きな意味をなします。観察できる行動にじぶんなりの解釈を付与して,昆虫のすがたをわたしなりに組み立てていきます。おもしろい作業です。 

この昆虫は一日じっとしていました。気温が低いために動けず,休んでいたのでしょう。やはり,冬に活動できるとはいえ,活動しやすい気象条件があるということでしょうか。

こんなわけで,自然が届けてくれる昆虫との出会いは自然の豊かさを見つめる貴重な材料になっていきます。一つひとつがほんとうにすてきな贈り物です。

     

       まんさくの花
               
                   丸山 薫

     まんさくの花が咲いた と
     子供達が手折って 持ってくる
     まんさくの花は淡黄色の粒々した
     眼にも見分けがたい花だけれど

     まんさくの花が咲いた と
     子供達が手折って 持ってくる
     まんさくの花は点々と滴りに似た
     花としもない花だけれど

     山の風が鳴る疎林の奥から
     寒々とした日暮れの雪をふんで
     まんさくの花が咲いた と
     子供達が手折って 持ってくる


 


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