自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

あちらこちらにヤブキリ

2015-04-21 | タンポポ

今の時期,タンポポがどっさり咲いています。在来種も外来種も元気いっぱいです。在来種はけっして負けることなく,縄張りをつくって生きています。

それらのタンポポを見ていると,ごく小さなバッタの幼虫がいることがわかります。あちこちにいて目立つので,ふしぎに思うほどです。これはヤブキリの若齢幼虫で,背中に褐色の筋が一本走っているのが特徴です。


からだの大きさに不釣合いな程の触覚は,人間の目にはスマートさを演出するのに成功しているのですが,もちろん,格好良く見せるための道具なのではありません。触覚は,匂いや振動を感じる高感度センサーです。

からだには花粉がどっさり付着しています。大好物のタンポポを訪れ,花粉や花弁などを食している証拠です。タイミングがよければ,食べている瞬間を観察することができます。見ているうちに,ここを訪れる前,離れたところから,この花にセンサーを近づけて好物かどうか確認している姿が浮かんできました。

人が近づくと,あるいはそっと近寄っても,とても敏感で,警戒心が強くて花の裏側に隠れることがよくあります。これは複眼で姿を感知するほか,触覚で空気の振動を感じたからなのでしょう。

したがって,ヤブキリの幼虫を接写しようとすると,触覚に感知されないように注意を払わなくてはなりません。こんなことでも,いのちのふしぎ,巧みを感じます。

ついでに,察知されず,うまく被写体にできたコマを二つばかり。

 


こちらはキリギリス。背中の筋は二本なので,ヤブキリと区別が付きます。ちょうど蕊を食している最中でした。おいしそうな顔に見えますが,どうでしょうか。


後方には,蕊の先を食べられた花柱がポツンポツンと立っています。

意識的に目を向けると,意外な世界がタンポポにも広がっています。

 


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