アゲハの庭園を手入れしているとき,地面にカマキリがいるのに気づきました。それが,なんだか前脚でものを持っている様子です。「なんだろう」と思って,近寄ってみると,なんとアゲハの幼虫を抱えるようにして持っているのでした。二つの前脚で,幼虫のからだを掴む格好をしているですから,幼虫のからだは完全にちぎれています。
幼虫がカマキリの犠牲になって,死に絶えているのです。こんなにスゴイ場面を見るのは久々です。
大慌てでカメラを持ち出して撮影しました。カマキリの堂々としたスタイルが印象に残りました。この構え方はヒトにも動じないといった感じです。
続いて虫の目レンズで撮影しました。このときは,すでに片方の肉片を食べ終わり,残りの片方を口にしていました。レンズを向けても,一向に気にかける気配はありません。腰が据わっていて,大した度胸です。
左前脚の置き方,右前脚の鎌の使い方,首のひねり方,それぞれが堂々としたものです。
食べる・食べられる関係によって,自然界は成り立っています。犠牲になった幼虫には気の毒なのですが,これはまさに自然の姿そのものなのです。
偶然の出来事に出くわして,生々しいいのちのドラマ,緊迫感のある生態が記録できたように思います。