畑に生えている草の中にカラスビシャクがあります。カラスビシャクを食草の一つにしている代表的な昆虫にセスジスズメがいます。セスジスズメの幼虫はサトイモやヤブガラシなど,とにかくいろんな葉を食べます。それだけ旺盛なくらしぶりなのです。
カラスビシャクの葉を裏返すと,葉の色によく似たまん丸い卵がよく見つかります。これがセスジスズメの卵です。
孵化を撮影するのはそうむずかしくはありません。色が草色から黄色に変わったときから注意していれば兆候が感じとれるようになります。孵化直前は幼虫の動きが激しくなるのでよくわかります。この卵は横方向にやや広がったように見え,頂部に窪みが現れています。
この卵にどうやら寄生バチが卵を産み付け,それが育っているらしい写真が撮れました。ふつうの卵の経過と異なり,どうやら異変が起こっているようです。卵殻表面の黒ずみはふつう観察されません。産み付けられたばかりの卵は丸く,サイズは直径・高さともに1.25mmと考えられます。
真反対から撮りました。内部では寄生バチが複数孵化して幼虫段階になっているようです。動きはよくわかりません。頂部が窪んでいるのは産付後日が経過しているためです。
3時間後に撮ると,確かに動いた形跡が認められます。
どうなっていくか,注意しておこうと思います。なお,この日の撮影を“撮影(開始)一日目”としておきます。