N公園は,わたしにとって昆虫との出会いの最適地といえます。見通しのよい風景が広がります。池があります。人影がすくなく,ときどき散策の人が現れて背景に写し込めるのもありがたいなと思います。適度に草が伸びた頃はとくに気に入っており,這いつくばった姿勢での撮影は申し分なしです。
そんな好条件のある日,コバネイナゴを見かけました。サクラの枯れ枝につかまって,そこに触れているイネ科の葉を食べていました。たぶんチガヤあたりでしょう。
池を全面に入れたくて,カメラの位置を変えました。左の方に飛行機雲がわずかに見えます。ジェット機がこちら方向に飛んで来ているのです。
そのうちにイナゴはぴょーんと跳んで,池の淵に着地。
それ以上は行けないと思ったのでしょう,向きをこちら側に変えました。
秋の陽射しがイナゴを照りつけます。からだが輝きます。
静かな環境はいきもののいのちにとてもやさしそうに見えます。わたしのいのちにもそうです。