自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

'22秋 虫の目レンズは友 ~(また)カマキリ ~

2022-10-23 | 昆虫

公園の看板用支柱にカマキリが一匹。じっとしています。いかにも秋の風景です。メスですから,産卵場所を探しているのかもしれません。

 

こういうのは縦方向に写すとすっきりします。と思って見上げると,秋らしい雲がわぁーっと広がっていました。なんとも高い空に見えます。

 

秋が深まるにつれ,カマキリが家の近くや人工物で目に付くようになる気がします。それはたぶん産卵に関係しているのでしょう。実際,我が家の壁にはあちこちに古い卵鞘が見られます。

 

カマキリは季節の移り変わりを察知しているにちがいありません。秋半ば,カマキリたちはまだまだ私の前に現れるでしょう。

 


季節外れのサクラの花の話

2022-10-23 | 

この間,新聞で季節外れのサクラの話題が記事になっていました。ずっとずっと前にこの話を取り上げたことがあります。つい先ごろ,わたしも居住地のむらで二カ所,サクラのの花を見かけました。それで,そのまま放っておくのはもったいないと思い,記事ネタにしようと思った次第です。

春に咲くサクラが今頃開花するのはふつうではありません。その開花メカニズムからいってもなにかしら異変が起こっていると思うのはごく自然なこと。

ところで,この季節外れの開花を一昔前は"狂い咲き"と呼ぶのが一般的でした。もしかすると,今でもそう言い表す人がいるかもしれません。しかし,"狂い"とは少々穏やかならざることばに思えます。今では開花にいたる生理メカニズムが解き明かされ,説明が広く進んでいるので,あまりそのことばを目にすることはありません。結論からいえば,"狂って"咲くどころか,とても論理的な道筋に沿った現象なのです。

翌春に咲くサクラの花芽はすでに夏に形成されます。夏にはもう次の春に咲く花芽ができていると点がキーポイントです。この花芽には,秋になって葉から開花抑制ホルモンが送られます。その後役目を果たした葉は落ちます。これが正常な落葉です。葉の役目は無事終えたことになります。ところが,開花抑制ホルモンがつくられて葉に送られる前に,台風に遭うとか,虫の被害に遭うといったトラブルで葉が落ちることがあります。そうなると,たいへん! 木は開花をコントロールできない羽目に陥ります。

コントロールが効かなくなれば,一定の気象条件下でならいつでも花が開きうるという話のなります。単純な話です。開花抑制が効かず自然の成り行きで咲く,それをふつうのあり方から見ると暴走しているように見えるだけです。それを"狂い咲き"と呼ぶのはやっぱり変です。

一本の木はソメイヨシノ。この木の花はこれだけでした。

 

葉がほとんどありません。

 

本来の開花季節ではないため,花には勢いが感じられません。

 

春咲きのサクラが秋に咲くのは単に季節を勘違いしたわけではけっしてありません。自然現象・事象の背景には論理的な筋道がある,このことが季節外れのサクラの開花にも当てはまります。