ミュージアムの床を掃いていたら,針金のようなものと小さな塊りが目に留まりました。傍によって確かめると,針金に見えたものはハリガネムシでした。そして塊りはゴミムシでした。
それにしても,二つの組み合わせは初めて見るものです。状況から推測すると,ゴミムシの体内からハリガネムシが出てきたとしか考えようがありません。ゴミムシは昇天しているのか,一時気を失っているのか,わかりません。
こんなものがからだにいたらたいへん!
スタッフに聞いてみると,この組み合わせで過去ハリガネムシを館内で見たことがあるとのこと。それならわたしの推測は当たっていると思われます。
ネット情報の画像で調べてみました。ちゃんと出ています。報告数は限られていますが,確かな事実です。筋をたどれば,以下のようになるでしょう。水中でハリガネムシのオスとメスが出合う➡産卵が行われる➡孵化したハリガネムシの幼生が水生昆虫(ユスリカ・カゲロウなど)に食べられて体内に入る➡水生昆虫が孵化して陸に上がる➡幼生は水生昆虫の体内に入ったままに宿主(ゴミムシやカマキリ)に食べられる➡宿主の体内でハリガネムシが成長する。
過去,ハリガネムシとの組み合わせではカマキリとマイマイカブリの二例を目撃してきました。今回新たな事例が付け加わり,昆虫同士の関係がちょっとだけ広がりました。