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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

卵殻を食すアゲハの幼虫

2019-07-10 | アゲハ(ナミアゲハ)

食べるという行為は,いのちをもつすべての生きものに共通した本質的行動。個体維持に欠かせない行動です。

昆虫の幼虫が殻から出たあと,殻を食べる幼虫,食べない幼虫があります。それは種によって決まっています。食べる幼虫を見ていると,律義な行いだなあと感心します。母からの贈り物をからだに摂り入れる純真さが感じとれるような気がします。

アゲハ類の幼虫もこのなかま。ナミアゲハが卵殻を食する様子をご覧ください。

 

別個体です。大顎をとらえました。 

 

かぶりつくといった感じ。

 

別個体です。硬い殻と思われますが,力強く噛んでいきます。こういう光景を,わたしは❝貪り食う❞ということばで表したくなります。

 

力強さはたくましさでもあります。生まれ出たばかりの強さが伝わって来ます。

 

別の個体を見ると,ほぼ平らげていました。

 

いかがですか。どうあれ,生まれた瞬間から自立して生きなくてはなりません。それが自然の摂理。

 


アゲハ,孵化(続々)

2019-07-09 | アゲハ(ナミアゲハ)

レモンの新芽がどんどん伸びていきます。すると,そこを狙ってアゲハが卵を産み付けに訪れます。古い葉や実にもときどきは産み付けるのですが,若い葉や枝が圧倒的に多いですね。その方が初齢幼虫の食欲を満たすのに合っていると,ちゃんと心得ているのでしょう。葉の匂いも,わたしたちの鼻には強烈に思えます。手で触れても,手が匂いにすっかり染まるといった感じなのですから。

卵を産み付けるといっても,一枝に,また葉一枚に複数なので,観察するにはとても都合がよいです。発生が似通っていて,ほぼ同時に孵化が始まるのでこころの準備ができます。

そんな観察から,ほぼ同時刻に撮影できた場面をご紹介しましょう。

その1。葉の付け根に産み付けられた卵です。出てしまう寸前に撮影開始。 

 

 

アップでも撮っておこうと思って。

 

 

その2。中から穴を開けている段階から観察できると,慌てることはなし。

 

 

落ち着いてカメラを構えながら撮影できます。

 

 

その3。これはほぼ出終わった頃に撮影。やや離れているので,全体にピントが合いました。

 

 

このときは,一度に5個の卵を観察。内2個はタイミングを逃してしまいました。

 

 


アゲハ,孵化(続)

2019-07-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

スダチの若葉にアゲハの卵が産み付けられていたので,見ると,ちょうど孵化が始まったばかり。こういうのはきちんと撮影しておかなくてはもったいないと思い,しばらく撮影に集中。

 

 

穴が開き始めてから,間もなく出始め。

 

 

からだを伸ばします。こんなに大きなからだが殻に入っていたのかとびっくりするほど。

 

 一刻も早く着地しようとします。

 

あとはスムーズに脱出。 

 

やれやれといったふうで,しばらく休んでいました。このあとは殻の方に向き直ってそこに行き,食べかけました。もちろん平らげました。 

  

 


アゲハ,孵化

2019-06-27 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの庭園をつくって、アゲハを招くのをたのしみにしています。幼虫の産卵場所・食樹としてスダチ、レモン、それにキンカンを植栽。これだけあると、アゲハが頻繁に訪れます。回数が多いと、それだけ産卵数が多くなり、孵化を観察しやすくなります。

孵化近くなった卵の付いた枝先を切って、コップに挿しておけばいたって簡単に孵化を撮影することができます。孵化が間もなく始まるという卵は慣れればすぐ見分けが付くようになるので,繰り返し確認していれば見逃すことはありません。

久しぶりに孵化を撮影したくなり,その瞬間を待つことに。

 

そろそろ出て来るかなと思っていると,動きが一瞬止まりました。スムーズに出られるか,推し測っている感じ。

 

「これなら出られる」と判断したのでしょう,直後,頭部が出始めました。

 

頭部と前脚が出ました。

 

動きは止まることなく,出て来ました。

 

脚が6本とも着地!

 

無事に誕生しました。

 

誕生物語はいつ見てもいいですね。ワンダーそのもの。

 


アゲハの吸水

2019-06-15 | アゲハ(ナミアゲハ)

キタキチョウの吸水行動を目撃した翌々日。今度はアゲハが吸水にやって来ました。そのときは工事中で重機が動いていたので,至近距離から撮影はできませんでした。

それでも,行動を観察した事実を画像で記録しておくのはたいせつなこと。と思い,遠くからですが撮影しました。

 

アゲハは,ときどき舞い上がって場所を変えました。ときには姿が見えなくなることもありましたが,しばらくすると戻って来てまた吸水をしました。吸水時,翅は止まることも小刻みに震えることも。止まったときは,たぶんお気に入り成分がたくさんあるのでしょう。

伸びた口吻がなんとか見えます。この風景は翅が止まったとき。

 

土中にはチョウにとって欲しい成分が含まれているようです。行動ぶりがそれを物語っていました。

 


アゲハの卵と寄生バチ“キイロタマゴバチ”(続)

2019-06-01 | アゲハ(ナミアゲハ)

「ははーん,ハチだな」と思った瞬間,頭部が見えました。

 

「やっぱりハチだーっ!」。寄生バチはそのままスルスルッと出始めました。

 

ハチは止まることなく,さっさと卵から出て来ました。翅は縮んだままです。キイロタマゴバチです。何度となく見たことはあるものの,アゲハの卵から脱出する瞬間を見るのは,今回が初めて。

 

すっかり出終わりました。

 

歩いて殻を一周。翅が拡がっていないので,歩くほかありません。しばらくすると飛べるまでになって,今度は自分が種の維持に向け一役を担うことになります。

 

キイロタマゴバチについて調べてみると,思ったとおり数個の卵をアゲハの卵に産み付けているといいます。わたしが撮影した個体はどうやら最後に出て来た成虫だったようで,卵内にはもう動きは見られませんでした。

ごく小さな1mm程度の卵に5個も6個も産み付けられる卵があって,今回,こうして羽化するハチがいることが自分の目で確かめられました。まことにラッキーでした。

 


アゲハの卵と寄生バチ“キイロタマゴバチ”

2019-05-31 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの卵を観察していると,ときに異変を目にすることがあります。真っ黒になったまま孵化を迎えない例,変色したまま孵化しない例,幼虫の姿が見えているのに孵化しないままに終わる例,小さな穴が開いて何者かが出て行ったような例,こじ開けたような穴の開いた例,などが挙げられます。

これは無残な姿です。

 

 

内部奥に黄色い殻のようなものが見えます。何者かがかかわったはずです。

 

外敵や病気も含め,卵に降りかかった災難はたくさんあるでしょう。卵の段階でも,いのちが奪われる例はかなりの率で発生しているにちがいありません。そんな中から,本記事では初めて撮影に成功した例をご紹介しましょう。

卵の中に,細長いボール状のものが数個見られます。幼虫なのかもしれません。いかにもハチに寄生されている感じです。

 

 

数日後。まん丸い穴が一つ開いていました。そして,褐色の液体はわずかに付着。

 

しばらく見ていると,中でしきりに動き回るものが確認できました。穴のところにやって来ると,はっきり。しかし,この時点では正体はまったくわかりません。

 

これが間もなく出て来ました。正体はキイロタマゴバチでした。その様子は次回記事にします。

 

 


アゲハ,産卵!

2019-05-25 | アゲハ(ナミアゲハ)

柑橘類の新芽が伸びかけると,アゲハが盛んに飛来します。ずいぶん伸びると,産卵はひと段落といったところ。それで,今は最盛期を過ぎかけた頃です。

産卵に訪れたアゲハは草や木の葉を前脚で触れて,産卵場所を特定する行動に入ります。「アゲハの庭園」で待ち構えていると,きっちりそこにやって来ました。下写真はキンカン。ちょっと遠過ぎました。

 

 

レモンの木に移って産卵。やっぱり離れ過ぎ。

 

 

向こう向きになって産卵。

 

 

あとに,卵がポツリ。

 

 

チョウたちが喜ぶ環境は生きものにとってやさしい環境なのでしょう。すみ心地というか。 人のこころにも潤いももたらしてくれます。 

 

 


今春初めて,アゲハの卵(続)

2019-04-27 | アゲハ(ナミアゲハ)

4月25日(木)。夜に見ると,卵がなし。たいへんたいへん。幼虫を探したのですが,行方不明。その代わりに,別の葉に別の幼虫が一匹。正体はわかりません。アゲハの卵とのつながりもよくわかりません。

 

 

葉に付いていた糸に引っ掛かった模様。あるいは登ろうとしたのでしょうか。宙づり状態になってています。

 

 

4月26日(金)。家のスダチの木でアゲハの卵を発見。新芽が出て来ているので,「もしかすると」と思って見たらあったのです。

 

接写すると……。

 

他の枝にも。

 

 

雨模様だったので,これ以上探せませんでした。 

 


今春初めて,アゲハの卵

2019-04-25 | アゲハ(ナミアゲハ)

4月21日(日)。我が家のアゲハの庭園で,アゲハが待っているのを目撃。庭にはレモン・キンカンを植えているので,産卵に訪れた模様。しかし卵は見つからず。

夕方,知人宅を訪れました。庭のミカンの木を確かめるとアゲハの卵が一つ。新芽はまだごく小さいので,やむなく近くの古い葉に産卵したようです。

 

 

接写すると,表面になにかが付着しているのがわかりました。色から判断すると,産付後時間が経っていると見られます。

 

 

卵の付いた一枝をいただいて帰りました。