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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アゲハ,2齢幼虫の脱皮

2014-08-17 | アゲハ(ナミアゲハ)

スダチの木を見ながらアゲハの幼虫を確認していると,3齢幼虫の脇に黒っぽくて長いものがあるのが目にとまりました。

「ははーん,これは脱皮したばかりなんだな」と直感。詳しくはメガネをかけないとわからないので,枝を手折って家の中に持ち込みました。ルーペで見ると,やはり脱皮したばかりです。体長5mm。黒っぽいものは皮です。からだの横に,頭部を覆っていた殻がありました。黒くて,丸くて,はっきりそれとわかりました。このとき,幼虫の頭はまだ褐色を帯びていました。

急いで写真に収めました。


飼育時は別にして,自然のなかで幼虫の脱皮を見る機会はそう訪れるものではありません。しかも,ごく小さな幼虫の脱皮となると,一層見かけないでしょう。小さいだけでも目に入りにくいし,ふつう幼虫に目を向けるなんてことはありません。

それだけに,今回の脱皮風景は貴重な画像になりました。このあと幼虫が皮を平らげたのはいうまでもありません。


こうしてわたしたちの気づかない世界で,いのちが生まれて,かたちが変化し続けます。

 


アゲハ一世代の成長(6)

2014-08-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

8月3日(日)。個体Aは5齢(終齢)。

8月4日(月)。個体Cは3齢。

 
8月7日(木)。ふしぎなことに個体Cが行方不明に。

8月8日(金)。朝見ると,個体Aは飼育ケースの蓋に移動して,そこで前蛹になっていました。

個体Dは3齢です。

午後1時30分,スダチの木に成虫が飛来して,産卵するのを確認。この卵を個体Eとして飼育することにしました。

 

 


アゲハ一世代の成長(5)

2014-08-02 | アゲハ(ナミアゲハ)

結局,3個体の成長を追うことにしました。個体Aは元のもの。個体Cは,Aと同じレモンの木で孵化したもの。推測では7月30日(水)午前2時頃に孵化した模様。残りのD個体は『アゲハの庭園』のキンカンの木において,8月2日(土)午後7時頃孵化(推測)。

さて,今日8月2日(土)の様子をすこしばかり。

個体Aはかなり成長しました。3齢幼虫になっています。


個体Cが脱皮。2齢幼虫に。


個体Dは午後8時現在,殻をほぼ食べ終わったところです。いかにも初々しい感じがします。からだ全体が棘だらけです。



以上の成長を表にすると,以下のとおりです。

 

 

 

 

 


アゲハ一世代の成長(4)

2014-07-28 | アゲハ(ナミアゲハ)

7月27日(日)。個体Aが天敵に食されました。その天敵とはクモです。たまたまその場面を目撃しました。幼虫がいないので「おかしいな」と思いながら探すと,観察容器の蓋に天敵にくわえられた幼虫がいたのです。がっくり。


「この分だと,成虫に成長するまで見届けるのは並大抵でないなあ」と感じました。残ったのは個体B一つ。

7月28日(月)。これでは心もとないと思っていると,同じレモンの木でなんと数個の卵がほんの近くで見つかりました。若葉の先に。ちょうど朝の光がここを照らした瞬間に撮りました。


そして,硬めの葉の表側にも。これは幸い。それらを観察対象に加えようかなと思っているところです。

 


アゲハ一世代の成長(3)

2014-07-26 | アゲハ(ナミアゲハ)

7月26日(土)。午前7時。個体Bを見ると,卵内に体節が見え始め。

 
午後6時,仕事から帰宅。個体Bはすでに孵化後でした。幼虫は別の葉に移っていました。仮に午後4時の孵化したとすると,卵期は3日4時間になります。 


仕事帰りに,個体Aの付いた葉を採集して持ち帰りました。間もなく孵化しそうな雰囲気でした。午後9時,孵化。その後卵の殻を食べました。個体Aの卵期は3日9時間になります。 

 
2匹ともなんとか順調に育ってほしいと願っています。 

 


アゲハ一世代の成長(2)

2014-07-23 | アゲハ(ナミアゲハ)

じつは,観察対象にしていた個体が,どうしたことか行方不明になってしまいました。しかたがないので,もう一度はじめからやり直しです。

7月23日(水)午後0時15分。最高気温32.8℃。畑仕事をしていたとき,たまたまレモンの木にアゲハが産卵に訪れたのを見かけました。そして,それが産み付けた卵を確認しました。同じ失敗を繰り返さないために,そのうち2個(以後,個体A,個体Bと表記)を観察対象に選び,これから成長を追っていくことにします。

個体Aは,上半分が欠けた葉の縁に付いています。裏側です。


個体Bは枝先の若い葉にあります。これも裏側です。


色は,ともに薄い黄色です。みごとな球形をしています。

 


卵に異変!(続)

2014-06-28 | アゲハ(ナミアゲハ)

観察を続けていて孵化をたのしみしているのに,異変が生じて孵化に至らない,という事態はなんとも残念なものです。

卵期にこんなに天敵にやられるのかとつい思ってしまうほど,卵に穴が開いている例が目立ちます。下写真もそうです。 

 
中には,二つも穴が開いている卵があります。その形からは,どうもハチが出て行ったとしか思えません。


卵の直径が0.9mm弱。その表面から出た寄生バチって,やっぱり想像もできないほどの小ささです。一度でも見てみたいなあと思うのですが。 

 


アゲハ一世代の成長(1)

2014-06-27 | アゲハ(ナミアゲハ)

今の時期に,アガハは産卵から羽化までどれくらい期間がかかるのか,それを確認してみようと思います。偶然,産卵場面を見て卵を採集したものですから,もし,きちんと観察を続けることができれば正確に把握できるでしょう。途中でトラブルがあって見失うとか,死ぬといったことがないよう願いながら,始めることにします。

6月23日(月),午後1時。目の前のキンカンの葉の裏に産卵。すぐに卵を確認して,枝ごと水入りコップに挿しました。白いきれいな色をしています。

6月24日(火)。卵の表面は黄を帯びています。なお,写真の視野幅(左右)は1cmです。


6月26日(木),
午後4時30分。黄色が濃くなってきました。かなり成長が進んできているとみえ,卵の中にモヤモヤッとした模様が観察できます。空間ができていることがよくわかります。

 

6月27日(金),午前6時。見ると,もう誕生間近の様子。こんなに早いのかと,一瞬びっくり。殻をとおして幼虫の頭やからだが見えます。


午前9時30分,誕生。産卵時からほぼ3日と20時間が経過。初齢幼虫は,殻から出るとそれを跡形もなく食べてしまいました。

 


羽化を激写!

2014-06-13 | アゲハ(ナミアゲハ)

たまたま飼育箱に付いた蛹を見ると,羽化直前の様子。殻をとおしてからだの細部に至るまで確認できます。体毛もはっきり!

わたしは,昆虫たちの生態に飼育箱のような人工物が入り込むのはどうも人間臭さを感じて好きになれません。しかし,観察対象にした昆虫がそういう範囲にも棲息域を広げている,あるいはたくましく生きているという意味からすれば,マア,仕方ないのかもしれません。


そういう前置きをして,今回は敢えてそんな場面をご紹介することにします。理由については解説文でご理解いただけると嬉しいのですが。

午前10時に見て,「よし! せっかくなので記録写真を撮ろう」と思いました。

 


正午までには羽化するだろうと思っていました。ところが,どっこい。ピクリと動いて羽化する気配を見せることはあるのですが,羽化が始まる様子はまったくありません。

午後1時。これで3時間,ずっと見つめていました。しかし,まだ。

それから20分が経った午後1時20分。頭部の殻が僅かに割れ始めました。「ヤッター!」と小躍り。とうとう羽化の瞬間を迎えたのです。

 


ゆっくり,成虫が現れました。じつにゆっくりと。折り畳まれた脚が力強く見えました。


このあと,まったく驚くような速さで殻から出て,上に移動していきました。背には,こんなに小さな翅がちゃんと広がるのかと思うばかりの縮れた翅が乗っかっていました。


自然は巧みにできています。驚異的な変化で,翅がどんどん広がっていきました。翅脈に体液が注ぎ込まれて,ごくごく当たり前のように一人前の成虫のからだに変わっていったのです。

いのちの大変化は,観察者の目とこころを魅了します。観察者にとって,いのちのスゴサを感じる時間は至福のひとときです。

 


卵に異変!

2014-06-06 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの孵化をたのしみに観察を続けていましたが,結局,孵りませんでした。それもすべての卵が。どうなっているのか,どうしたのか,とてもふしぎです。

殻をとおして中が見えそうになっていたのに,黒くなって順調に孵化を迎えると思っていたのに,まったく外れてしまいました。

なぜか,卵がしわしわになっています。明らかに成長が止まったことを物語っています。何かが起こったとしか思われません。

なぜか,卵に小さな穴が開いています。これは寄生バチが出ていったものか,あるいはハチが中に入って食したか,いずれかでしょう。直径1mmの卵にぽっかり開いた真ん円の穴!


これだけ期待が外れたのは初めてです。孵化するまでにも災難が待ち受けている,というふうに解釈するほかありません。