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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アゲハ,初見(続々)

2015-05-05 | アゲハ(ナミアゲハ)

『アゲハ,初見(続)』で載せた,蕾に付着した卵について報告しましょう。

5月4日(月)。一日雨。夕方,雨が上がり,卵を観察しました。ずいぶん赤みを帯びてきました。上部分は液がなくなり,空間が見えています。


5月5日(火)。早朝。昨夕の色合いとほとんど違いはありませんが,心もち濃くなった感がします。

 


ついで話。これを含めて3個の卵を観察しているところですが,偶然,葉の表側で新たに2個卵を発見しました。一つは間もなく孵化するものです。 これらを入れて,全部で5個の卵を同時観察することになります。


さらに,ビッグ話。アゲハの初齢幼虫も見つけました。今季初めて見る幼虫です。


さらにさらに。同じレモンの葉の表面でジャコウアゲハに産み付けられた卵も発見。近くの食草を訪れた際,誤ってレモンに産み付けてしまったものです。珍しい光景ですが,ときに起こりうる事象です。

  


アゲハ,初見(続)

2015-05-03 | アゲハ(ナミアゲハ)

4月27日(月)。早朝。ずいぶん赤みがかってきました。


すぐ隣りに,新たに卵を発見。これは蕾に付着しています。26日(日)に産み付けられたものでしょう。


4月29日(水)。早朝。わずかに線状の紋様が見えかけてきました。


4月30日(木)。早朝。前日からたった24時間で,大変化。卵が黒っぽくなりました。


5月1日(金)。早朝。さらに全体がもっと黒くなってきました。

 

 
5月2日(土)。早朝。いよいよ孵化の瞬間が近づいてきたようです。

 


しごとを終えて帰宅。すでに孵化していました。その瞬間を見届けることはできませんでしたが,まあ,止むを得ません。無事に育ってホッ。 

 


アゲハ,初見

2015-04-27 | アゲハ(ナミアゲハ)

4月22日(水)。久し振りに青空を見ました。近頃はうっとうしい日がずっと続いていたので,がっかりしていたところです。

さて,正午直前のこと。アゲハの庭園では,昆虫たちの動きが活発でした。ベニカミキリがレモンの葉で日光浴をしていました。 

 
そこに飛来したのがアゲハ。どうやら産卵しそうな動きに見えました。見ていると,キンカンに木に行ったり,レモンに行ったり。前脚が葉に触れることがありましたが,産卵までにはいたりませんでした。

そのうちにまた,レモンを訪れました。と思った瞬間,若葉にとまって産卵孔をくっ付けたのです。飛び去った後,そこには卵が一つありました。離れたところからでも,この卵はくっきりと見えました。


夕方,撮ったのが下写真です。産卵後,6時間経過しています。


アゲハの成虫は今春の初見です。産卵も併せて見られるなんて,なんと贅沢なこと! 成長を追ってみます。

4月24日(金)。 産卵後,2日経過。肉眼で見る限り,大きな変化は感じられません。


4月26(日)。 色が薄黄から赤みがかった黄に。 確実に変化しつつあります。

 

 


アゲハに寄生するハチの幼虫(続)

2015-01-06 | アゲハ(ナミアゲハ)

12月22日(月)。幼虫はアゲハの蛹から出た状態で,色がやや濃くなっている様子。体表を見ていると,波打つようにしているのが確認できました。いかにも筋肉の動きだなあという感じです。ふつうはアゲハの蛹の体内にいるわけですから,肉眼では観察できない姿なのです。体長10mm。

向かって右側が頭部です。口の辺りが黒っぽく見えます。茶色の筋状のものが表皮に付着しています。これは,アゲハの体内にあった肉質のものと思われます。

 

 
肛門付近です。

 


観察していて,「これはまさにウジ虫だ」と思いました。 さて,ハエか,ハチか,それはわたしにはわかりません。

12月25日(木)。22日にあれだけ動いていた幼虫ですから,変化は確実に起こっているだろうと思い見るとどうでしょう。なんと,囲蛹に変身していた! 向かって左が頭部です。体長は20mm。幼虫期とは打って変わって,引き締まったからだをしています。

 


1月2日(金)。黒っぽくなるとともに,からだが小さくなっています。さて,これが順調な成長なのか,ちょっと心配しています。


正体について調べているうちに,どうやらアゲハヒメバチかブランコヤドリバエか,いずれかのような気がしてきました。たぶん,そうなのでしょう。 

 


アゲハに寄生するハチの幼虫

2014-12-22 | アゲハ(ナミアゲハ)

12月2日付け記事『今秋最後の蛹化』で取り上げたアゲハの個体の続き話です。

蛹をちょこっと触ってみると,とても軟らかいのでびっくり。とっさに,寄生バチにやられているだと直感しました。 


それで,からだの内部を見てみることに。帯糸で支えられていた辺りで二分割しました。すると,中はドロドロ状態です。よくよく見ていくと,ウジ虫型の幼虫が一匹いました。  


そのままではわかりにくいので,爪楊枝を使って出してみました。蛹の大きさからみると,かなりの大きさです。これは寄生バチ(あるいはハエ)の幼虫でしょう。 


一匹なのか複数いるのか,それはよくわかりません。以前外にいたコマユバチは複数でした。しかし,この幼虫がコマユバチのそれなのかは不明です(コマユバチにしては大きい過ぎる!?)。これも確認する価値がありそうです。

蛹にはかわいそうな現実なのですが,いのちは常に犠牲になるしくみで自然は成り立っています。これも止むを得ないドラマです。

 


アゲハ,前蛹の死

2014-12-07 | アゲハ(ナミアゲハ)

スダチの実をもいでいるとき,ふと目に付いたのがアゲハの前蛹。しかし,それはすでにいのちを失って,しかも宙吊りになったものでした。

宙吊りとはおかしな風景なのですが,これの前蛹は帯糸でからだを固定しますから,帯糸でぶら下がった状態,腹端が固定面から離れた状態なのです。

 
なにか事情があってこうなって,なにかがあって蛹に移行できなかったものと思われます。

触るとまだ軟らかい感じがしますし,色も緑色・黄色・褐色の混色なので,死後日は浅いようです。

これとそっくりの風景はジャコウアゲハでも何度か見てきました。それも併せて考えると,変態のどの段階においても,いつ生命の安全を脅かす事態が発生するかわからないという感じがします。それは外敵,天候のような外因であったり,あるいは病気,変態するのに不都合な姿勢といった内因であったりするでしょう。いずれにしても個体自体は予期せぬ不慮の死を迎えることになります。

生き延びるにはやはりきびしい摂理が待ち受けていることが窺えます。 

 


今秋最後の蛹化 ~アゲハ~

2014-12-02 | アゲハ(ナミアゲハ)

11月19日(水)。レモンの葉でぶら下がっているアゲハの前蛹。その筋肉が収縮と弛緩をゆっくり繰り返しました。ずっとずっと続くので,間もなく蛹化だなと思っていたのですが,なかなかそうはなりません。体表にはコマユバチがくっ付いて離れようとしません。寄生して,体内に産卵しようとしているのです。 

 
この日は,とうとう蛹にはなりませんでした。ずいぶんエネルギーを使ったはずです。ほんとうに蛹にまでなるのか,心配になってきました。


11月20日(木)。昼過ぎのこと。蛹になっていました。まだ変化後時間が経過していないようで,生々しい姿でした。脱ぎ終わった皮が付いたままです。そして,体表には寄生バチが! 

 
コマユバチが一匹,相当な執着心を持ってそこにいました。

 
触覚を体表に当ててなにかの様子を窺ったり,腹端を体表に押し付けたりしていました。産卵行動なのかと思われます。

 
アゲハの庭園では,この個体が今季最後の蛹化となりました。さて,無事に羽化するかどうか。寄生バチがこれだけ寄り付いては,かなりむずかしいだろうと思われます。

 


アゲハ一世代の成長(8)

2014-10-08 | アゲハ(ナミアゲハ)

8月18日(月)。昼,個体Aが羽化して飼育箱でパタパタしているのを発見。昨日はまだ羽化していなかったので,今日が羽化日です。産卵から26日目に大空に舞い上がって行きました。

8月28日(木)。個体Eが脱皮して終齢幼虫に。

9月4日(木)。個体E,飼育箱のプラスチック壁で前蛹に。

9月5日(金)。個体E,順調に蛹化。

9月17日(水)。個体E,羽化。

 


これまでの経過を表にすると,以下のようになります。 

 
たぶん,一世代の期間は30日程度だと思われます。なのに,個体Eだけが一際異なっているのはどうしてなのか,ふしぎです。今の時点では,たまたまそうだったとしかいえません。

それはともかくとして,観察事実を記録することで生態がよりくわしく見えてきます。事実は強し,です。

 


恐るべき“天敵”カマキリ

2014-10-05 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの庭園を手入れしているとき,地面にカマキリがいるのに気づきました。それが,なんだか前脚でものを持っている様子です。「なんだろう」と思って,近寄ってみると,なんとアゲハの幼虫を抱えるようにして持っているのでした。二つの前脚で,幼虫のからだを掴む格好をしているですから,幼虫のからだは完全にちぎれています。

幼虫がカマキリの犠牲になって,死に絶えているのです。こんなにスゴイ場面を見るのは久々です。

大慌てでカメラを持ち出して撮影しました。カマキリの堂々としたスタイルが印象に残りました。この構え方はヒトにも動じないといった感じです。 


続いて虫の目レンズで撮影しました。このときは,すでに片方の肉片を食べ終わり,残りの片方を口にしていました。レンズを向けても,一向に気にかける気配はありません。腰が据わっていて,大した度胸です。 


左前脚の置き方,右前脚の鎌の使い方,首のひねり方,それぞれが堂々としたものです。


食べる・食べられる関係によって,自然界は成り立っています。犠牲になった幼虫には気の毒なのですが,これはまさに自然の姿そのものなのです。

偶然の出来事に出くわして,生々しいいのちのドラマ,緊迫感のある生態が記録できたように思います。 

 


アゲハ一世代の成長(7)

2014-08-25 | アゲハ(ナミアゲハ)

8月9日(土)。個体Aは蛹化。


8月10日(日)。個体D,午後7時30分に脱皮し,4齢幼虫に。

 
程なくして,皮を食べてしまいました。


8月12日(火)午後3時,個体E孵化。

 

 
8月14日(木)午前9時。個体D,脱皮して終齢幼虫に。


これまでの経過を表にまとめると,次のようになります。